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生命保険が相続対策に活用できると言われる大きな理由は、民法上、遺産でありながらも、死者の残した財産ではなく、受取人の資産として扱われるからに他なりません。

しかし、それとは全く別に、いずれ払わなければ成らない相続税を賄うものとしてや、別れた我が子への贈り物としての価値を持っている事もまた、忘れてならない故由なのです。

そして、そこには不動産や預貯金とは異なり、例え自分名義であっても、受け取る相手を自由に決められるというメリットが大きく関わって来ます。
そのため、誰に残すのか、あるいは、誰に贈るのかを十二分に考えて加入する事は必須と言えるでしょう。

納税対策!死亡保険金を充当する!?

narrator

まず、納税対策という面で見てみると、そこには生命保険を必要とする2つのケースが生じます。

いずれも、非相続財産のほとんどが土地や家屋敷などの不動産であって、それに対して課税される分を子供が払うには、まとまった現金が要るという状況ですね。

しかし、子供たちもそれだけ多額の預貯金を持っていれば何ら問題ありませんが、そのお金を準備するためには、それらの財産を処分するか、担保に入れて融資を受けなければならないとなると、どれだけの手間と時間が掛かるか分かったものではありません。

下手をすれば、そのための延滞料や利息が付帯し、有り難いのか有り難くないのか定かではない話になって来る可能性も低くはないでしょう。

そこで、あらかじめ保険に入っておく事で、その死亡保険金を納税に充てようという作戦に打って出る人も多い訳です。
そうすると、病死など、特に死因に疑わしいところがなければ、死後程なく給付されますから、それを税務署に納めれば一件落着という訳ですね。

子供のための相続税対策

ただ、ここで一つ重要になるのは、これはあくまでも妻のためではなく、子供のための相続税対策であるという事を把握しておく事です。

というのも、もともと配偶者には、相続税の税額軽減という特別控除が用意されていて、もし法定相続人の基礎控除額を大幅に上回る遺産が舞い込んで来たとしても、なんと、1億6,000万円までは非課税になるという大きな大きな得点があるからなんですねぇ!!
従って、奥様が家屋敷をもらって、お国に苦しめられるという事はめったにないと見ていいでしょう。

それに対し、ご子息様やご令嬢様はそうは行きません。
基礎控除額を超過した分には、しっかりと税金が課せられます。


そこで、我が子に不動産を主としたお宝を残す場合には、契約者と被保険者を本人とし、受取人を娘や息子とした生命保険をあらかじめ準備しておく事で、苦労させずに済むという事なのです。

遺産分けのトラブル

加えて、長男や長女ファミリーと同居していた場合、当然、彼らに後を継いでもらう事になる訳ですが、必ずと言っていいほどもめるのが、弟や妹たちとの遺産分けです。

何しろ、兄弟姉妹は、親の築き上げたものを平等にもらえるという権利がありますから、これまでずっと知らん顔でも、亡くなった暁には、間違いなくそれを主張するでしょう。

という事で、最も分かりやすいのは、家を売って均等割する事ですが、それでは、そこで暮らしているものはたまったものではありません。

被保険者は本人名義でOK!受取人は同居している子に

そこで登場するのが生命保険です。
前もって住居の評価額を割り出し、それを実子の数で割った額を弾き出した上、跡取りの分を差し引いた保証額の終身保険に加入しておきます。

この時の契約者と被保険者は本人名義で構いませんが、受取人は同居している子にするのがポイント!
そうしておくと、後々遺産分割協議となった際、それを残る娘や息子たちに渡す事で、取り敢えず話は落ち着くでしょう。

しかも、こうして配布された保険金は代償交付金となり、贈与された事にはなりません。
そのため、贈与税の対象外になるのです。

ならば、最初から他の兄妹姉弟が受け取れるようにしておけば、話は早いじゃないか!
どうせ、それでも生保はそれなりの控除枠があって、めったに多額の税金が掛かる事などないんだから・・・!
と思われるかも知れませんが、実は先述の通り、保険金はその他の遺産とは全く切り離して扱われるというところが落とし穴で、直接本人たちに受領させてしまうと、これはこれ、それはそれという事になり、やっぱり不動産の分も分けて欲しいと、だだをこねられてしまっても致し方のない状況を招きかねないのです。

特に、長年親の面倒など一切見なかったのにも関わらず、いざ遺産相続となると、気合いを入れて出て来るような身内には、それだけ強く欲望がありますから、それを主張される可能性が大であると見てもいいでしょう。
ですので、それを避けるためには、何が何でも代償交付金として支払える形を取っておく事が大切なんですね。

さらに、先の納税資金対策のケースでも、妻が受け取った死亡保証金を子供に譲渡すればいいのではないかと思われるかも知れませんが、そうは行かないのが、やっぱり法律のややこしいところであり、落とし穴になるところ!

この場合には、しっかりと贈与税が掛かりますので、基本的に受取人は子供というのが鉄則だと言っても過言ではないでしょう。

みなし財産となり相続税の対象となるケース

また、離婚した妻や夫には未練はなくとも、我が子にはという方は非常に多く、自分が死んだ際、少しでも何かの足しにしてもらえればという事で、保険を掛けておられる方も大勢いらっしゃるかと思います。

もちろんそれはそれで、受取人がその子の名前になっている以上、今は元妻の戸籍に入っていても何ら問題はありません。
全額当人に支払われます。

ですが、契約者と被保険者が自分であると、それはみなし財産となり、相続税の対象となってしまうため、税務署から現在の法定相続人、即ち、再婚していて、新しい家族がいれば、そこに通達されてしまうのです。
そうして、相続税のきっちりとした計算がされた上でようやく受け取れるという流れになりますから、そこには何かと厄介な人間関係の感情的いざこざが生じないとも限らないのです。

無論、これは彼女や内縁の妻に対する好意でも全く同様で、こうした第三者に生命保険という形で遺産を残したい場合は、十二分に気を付ける必要があります。
少なくとも、自分契約には絶対にしない事!

基本的に、契約者と受取人が同一であれば、例え被保険者は他人であっても、下りた保険金は所得税の対象となり、他の相続人には一切関係のないところで処理されるものとなります。

ですので、先に毎年贈与税の掛からない金額を少しずつ譲渡し、それで年払いの終身保険を掛けておいてもらうようにされる事が大事なのです。

という事で、せっかくの節税対策や納税対策、そして贈り物も、契約者や受取人名義を誤ると、多くの人がどんでん返しを食らう事にもなりかねません。
あの世で骨肉の争いを観戦しなくてもいいようにするためにも、今一度チェックし、必要とあらば変更されておかれる事をおすすめしたいと思います。

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