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日本最古の生命保険会社「明治安田」

大手銀行の相次ぐ合併が発表されていった20世紀末から21世紀初頭に掛けて、生命保険業界にも一つの大きな波乱が巻き起こりました。
それは、三菱財閥のおぼっちゃま「明治生命」君と、安田財閥のお嬢様「安田生命」さんの結婚です。
これによって誕生した新たな家庭ならぬ生命保険会社が「明治安田生命」です。

ですから、生まれながらの富裕層であると言っても過言ではありません。
早速とばかりに、生命保険大手4社入りを果たし、両家の父親同士が運営する銀行も共にメガなら、自分たちもメガという事になったのであります。

ソルベンシー・マージン比率は900%超え

narrator

しかし、意外と一市民には馴染みがないと言いますか、何と言いますか・・・!?
まあ昨今は、外資系や損保系のお手頃価格でそれなりに充実した内容を誇る商品が多数ありますから、生保の国内系離れは否めません。
長年契約していても、比較検討やシミュレーションをした結果、カタカナ生保やひらがな生保に乗り換える人が後を絶たない時代です。
そういう面では、明治安田もご多分には漏れず、やはり老舗だけに高いプランがズラリとラインナップされているため、いささか人気が低いのだろうとも考えられます。

ただし、明治君にはお父様の運営する三菱東京UFJ銀行が、安田さんには同じくみずほ銀行が付いているとなれば、油断は出来ませんよ。
事実、三菱が民間企業に、安田が官庁に恐るべし力を持っている事により、団体保険には、もともとどちらもめちゃくちゃ強かった!
結果、団体保険の契約数では群を抜く数で、堂々の業界第一位になったのであります。

そう言えば、毎月自分の銀行口座からは引き落とされないから、うっかり忘れているものの、年末調整の際に申請する生命保険料控除。
生命保険料控除証明書を受け取ってるなぁという方は、結構いらっしゃるのではないでしょうか?
そうなんです、給料天引きだと、ついつい忘れてしまい、中にはうっかりハガキを捨ててしまったため、再発行してもらうための手続きをしなくてはいけなくなったという経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
思いのほか、身近な存在だったりもするんですよね。

つまり、個人で加入している人は少なくても、職場などを通して団体という形で加入している人が実に多いという事で、その証拠に保険会社の健全性を示す指数「ソルベンシー・マージン比率」は、900パーセントを大幅に超えています。

と、こんな話を聞いても、“そう、それがどうした!?”とおっしゃるかも知れませんが、このソルベンシー・マージン比率というのは、200パーセント以上あれば、とりあえずは運営可能で、400パーセントを超えている会社は、当面潰れる心配はないだろうと言える数字な訳ですから、その2倍以上ある以上、まず破綻する事はないと見ていいという事なのです。

しかも、確かに1,000パーセントを上回る生保会社は多数あるものの、いずれもカタカナ生命と呼ばれる外資系か、ひらがな生命と呼ばれる損保系で、かんぽ生命を除く国内系、いわゆる漢字生命と呼ばれる中ではトップではありませんか!?
つまりメガ生保の中では今、最も安定している会社という事になるのです。

クチコミでの評価が低いのはなぜ?

とは言え、残念ながら、口コミでの評判が今イチなのはどうしてなのでしょうか?
その理由としては、財閥系であるが故のイメージや噂のようなものが大きく関わっている事が一つ考えられます。

先述の通り、明治生命と言えば三菱、三菱と言えば東京三菱UFJ銀行、三菱銀行と言えば、そう、バブルの頃に変額保険をバンバン勧め、それが後に大きな社会問題を引き起こした事を思い出される方も少なくないでしょう。
その時、一体となってこの商品の営業に勤しんだのが息子の明治生命君!

もともとアメリカで誕生したこうした完全財テク型の生保を親父さんの三菱銀行に提案したのは、某有名外資系生命保険会社の社員だったようですが、それでも、頭取が旗振り役になって広め、バブル崩壊後に多数の被害者を出した事実は否定する事が出来ず、犠牲者の数も銀行では三菱が、保険会社では明治がダントツでした。

さらに、悪い事に、結婚後の2005年には、まずは告知義務違反教唆にて、次いで保険金不払いにて2度に渡る金融庁からの業務停止命令を受けています。
監督官庁からこのような処分を下されたの自体が業界初である上、わずか半年の間に続けて2回ですから、はっきり言ってやっぱりそこは世間知らずのおぼっちゃま・お嬢ちゃまカップルとしか思わざるを得ないでしょう。
結局この時は、社長だけでなく会長までもが辞任した他、10名以上の役員が退職するという形で収まりましたが、その後もパワハラ問題などが発生し、何かと世を騒がせてくれたものです。

しかし、こうした不祥事というのは、人の噂も七十五日と言われ、一世風靡しても、必ずと言っていいほど関係者以外からは、すっかり忘れ去られるものです。
特に情報伝達が恐ろしく高速化された現代社会においては、75日なんてとんでもない!
むしろ、それだけ長期間に渡って注目を浴び続けられれば、それはそれで実に凄い事であって、2週間もすれば何処へという感じでしょう。
となると、こうした過去の汚点が原因で評価が今イチ上がらないという事は、いささか考えすぎではないかと思われます。

アカウント型保険の仕組み

narrator

やはり、評判を下げている最大の理由は、同社が主力商品として売り出し、力を入れて契約者を募ろうとしたアカウント型保険にあるものと見るべきだという見解が成り立ちそうですね。
このアカウント型保険というのは、貯蓄と死亡時や入院時等の保障の両方を確保出来るプランで、一見、従来の終身型と大差のないように思われますが、その仕組みは大違いです。

なんと月々支払う保険料には、肝心な終身の死亡保障保険の代金は含まれておらず、特約となる医療保障などの料金と貯金と言える積立て分のみだというから驚きですね。
では、亡くなった時の保険金はどうなるのかと言うと、まず特約として掛け捨ての定期死亡保険を付帯させていれば、そこから契約時に確定した保険金が支払われます。

けれど、一生涯を希望するのであれば、払込満了時に、口座にあるお金を元手に終身保険を購入するという形になり、それまでにそれなりの蓄えが準備出来なければ、希望通りの保障額のプランは組めないという事になってしまうんですね。
払い込み期間終了後に年金として受け取るようにするのも、条件的には似たようなものです。

また、解約しても、ほとんど解約返戻金が帰って来ないケースもしばしばで、とにかく知識のない方には分かりづらい内容です。
そのせいで、見えてくるのはデメリットばかりというところから、もはや口コミでは最悪の生命保険となってしまっているのです。

ただ、このアカウント型である「ライフアカウントL.A.」がメイン商品であるがために、人気保険のランキング上位には社名すら見られないという事情があるのですが、実際には国内トップクラスの生命保険会社ですから、ありとあらゆるタイプの商品があって、中にはこれはいいかも?と思えるような良心的な物も少なくありません。

言ってみれば、それがこちらでは隠れた存在で、頑張って見つけた人だけが得をするようなお宝保険となっている訳です。
そのため、保険の新規加入や見直しの際に、複数の会社や商品を比較される場合、端から明治安田の全てのプランを外してしまうというのはもったいない話だと思います。
少々面倒でも一つ一つ中身を調べ、その上で検討対象にするかどうかを決めるべきでしょう。

ちなみに、こちらは日本一古い生命保険会社!
その名の通り、明治生命は、明治初期の1981年に発足した我が国初の正式な生保会社です。
ところが、それより1年早く、1880年に安田財閥では、生保組織として運営する「共済五百名社」を立ち上げていました。
そのため、長年両者の間では、我こそが日本最古の生命保険会社であるという論争が繰り広げられて来ましたが、その1、2を争う会社が一つになったのです。

もはや、何ももめる事はなく、誰も物申すものもいません。
という事で、今ではまぎれもなく、こちらが日本一古い生保会社です。
しかも、単に歴史があるというのではなく、先述の通りその組織力は恐ろしいほど強硬で、一生付き合うという生命保険の重要なポイントを考えると、やはり重要視するべき会社の一つなのではないでしょうか。

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