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生命保険の免責とは?

東日本大震災の後、中堅クラスの生命保険会社や損害保険会社の何社かが潰れるのでは・・・?
という危惧が、密かに叫ばれていました。
何しろ、1万5,000人以上の方が亡くなり、12万戸以上の建物が全壊したのです。

それに対する保険金の支払い総額は、まさに国家予算にも相当しそうな数字!
事実、生保の死亡保障と入院給付金だけでも2,000億円を軽く超えると予想され、それに損保の地震保険・火災保険・自動車保険、さらに傷害保険からの支払いが加わるのです。
大手はともかく、中堅クラスの会社なら1社や2社、破綻してもおかしくはないでしょう。

大きな災害時には保険金が支払われない?

narrator

けれど、この業界に詳しい人は、誰もが口を揃えて、そんな事は200パーセント有り得ないと断言しました。
何故なら、必ずどこの保険会社の約款にも、“大規模災害における生命保険および損害保険の免責条項”なるものが定められているからです。

恐らく、これを契約時に説明する営業やセールスはまずいないものと思われますが、実はこれは非常に重要な定款で、早い話、予定死亡率を遙かに上回る多数の人が一度に死傷するような大きな災害においては、保険金を支払わないという意思表明です。
日本についてのみ言えば、やはり震災とそこから発生する津波被害が主にはなりますが、他に台風による大規模水害や火山の噴火なども十二分に対象になり得ますし、海外では、戦争や内乱による紛争なども該当するでしょう。
そうなると、仕事や旅行でそうした危険性の高い国を尋ね、そこでドンパチに巻き込まれて死亡しても、1円の保険金も下りないかも知れないという事なのです。

また、我が国においても、今や天災だけではなく、訳の分からない宗教団体や異国からのテロ攻撃を受けない共全く限っていない状況で、さらに、やがては放射能についてまで、ますます事細かにこの免責事項は定められる可能性があるものと考えられます。

事実、基本的に被爆を要因とする疾患については、一切の保障をしないというのが生保会社のスタンスで、それでも、誰も何も困らないという社会でなければならないというのが彼らの言い分です。
ある意味、これは納得せざるを得ないと言うより、福島の原発事故以降、そうあるべきだと願う気持ちを持つ人も多い事でしょう。

ただ、この放射能事故を免責に加える事の是非はさておき、このような規定を設けなければ、それこそ本当に大きな地震などが発生すれば、多数の保険会社が破綻してしまいます。
また、損害保険においても明らかに悪質な人災と思えるような事故まで補償していては、一生懸命真面目に安全運転などに取り組んでいる善良なる市民の手前、示しが付きませんし、不公平も生じます。

それを考えると、やはり最低限必要な条件という事になる訳ですが、それでも、さすがは日本の生命保険会社!
まあ損害保険会社も同様ですが、あの東日本大震災については、一切の免責を利用せず、契約者には全額約束通りの保険金や補償金、それに給付金を払うと宣言しました。

免責事由

とは言え、この生保会社や損保会社の設定する免責事項は、もっと身近なところで影響を与える事も少なくはないという事を知っておく事は大切でしょう。
そもそも免責とは、まさに読んで字のごとく、責任を免じる、つまり例え支払いの義務が生じても、それを果たす必要がない事を意味し、強いては、堂々と給付拒否できることを示します。

もちろん、それはあくまでも先の天災のような特定の事項についてのみで、大半のケースでは、死亡保障や入院保障、それに対物補償は約束されていると思っておいて間違いありませんが、この特定の事項というのもまた、意外と多数あって、それもいつ我が身に起こるか分からないという事を認識しておかなければならないという事なのです。

最も分かりやすいのは自動車保険で、例え自分の運転ミスで愛車を電柱にぶつけ、再起不能になってしまっても、車両保険に入っていれば補償金が受け取れる事になっているはずです。
ところが、もしそれが飲酒運転だったり、無免許運転だったとすると、損保会社は無条件に支払いを拒否します。
なぜかというと、それは確実に正常な運転が出来る状態ではなかったために起きた事故であって、ここで言う特定の事項に該当するからです。
こちらの例で言えば、運転手や同乗者が死亡したり重傷を負っても、同じく保険金は1円も下りず、この保険会社が支払いの義務を免れる理由を「免責事由」と言います。

保険料を安く抑えることができる

もちろん、これはあくまでもれっきとした免責事由があっての話で、決して免責「自由」という訳ではありませんよ。
ただ、損害保険契約においては、加入者自身がある程度の免責を承諾する事により、保険料を安価に抑える事が出来ます。

例えば、車をぶつけた時の修理代として、5万円までは自分で支払いますから、足らずだけを保険で賄って下さいというような契約です。
このようなプランでは、仮に愛車を壁に擦って、塗装を塗り替えるのに6万円掛かったとすれば、そこから5万円を差し引いた1万円のみが損保会社から支払われるという仕組みで、これをエクセス・ディダクティブル・フランチャイズ契約と言います。
そして、この契約者の自己負担となる金額が免責金額です。

見直しの際には要注意

narrator

では、生命保険においては、どのような免責自由があるのかと言うと、前述のような自然災害や紛争の他、最も知られたところでは、がん保険の免責期間!
こちらは通常、責任開始日から90日という事で3ヶ月ですね。
この間に癌と診断されても、一切の保障はされません。
それどころか、その時点で契約が無効となり、以後、新規契約は出来ないのです。
そこで、この90日を保険会社によっては、「待ち期間」や「待機期間」、あるいは「不填補期間」と呼ぶ事もありますが、早い話免責期間で、これを知らずに、痛い目に遭う人は後を絶ちません。

そのため、特に生命保険の見直しの際には注意が必要です。
安価で手厚いサポートが受けられる商品に乗り換えるのは大いに結構ですが、契約と同時に既存の医療保険やがん保険を解約してしまうと、3ヶ月もの間、少なくとも、癌や悪性腫瘍についての保障は一切受けられない無保険状態に陥ってしまうのです。

また、自殺では生命保険が下りないなどとよく言われますが、それは恐らくどこの生保会社にも自殺免責というものが設定されているからでしょう。
この免責は、被保険者が故意に自らの生命を絶った場合に、保険会社の保険金支払い義務が免れるという約束ごとです。
ただし、これにもまた免責期間が定められていて、それを過ぎると例え自殺であっても、契約通りの死亡保証金が支払われる事が圧倒的多数で、その期間は保険会社や保障内容によって異なります。

通常3年としているケースが目立ちますが、稀に1年というのも見られますし、保障額が高額になれば5年とする事もあるようです。
とは言っても、自殺免責については、薬物使用による精神異常が引き起こしたものであれば、免責期間に関係なく保険金を支払わないという免責自由を掲げている会社が圧倒的多数!
さらに、相手を殺して自分も死ぬと言った事件性を含むものについてもNGで、やはり人の道に反するようなあの世への行き方は、誰も喜ばす事が出来ないということですね。

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