記事の詳細

そもそも生命保険というのは、元気なうちに、将来病気や怪我をした時のために加入するもので、よく、最良の安全対策を取る際、保険を掛けるなどと言いますが、正にその通り!
万が一の時のためのライフラインです。

よって、基本的には中途解約はしないというのが前提!
最初からそれを想定して作られているものだと思って下さい。

契約時の必要経費を差し引かれて1円も戻ってこない

その証拠に、“すぐになんとか”という言葉には、ろくな事がありません。
例えば、すぐに解約すれば、例え解約返戻金のある終身型でも、満期金のある養老保険などでも、1円も戻って来ないと思っておいた方が確かでしょう。

何故なら、解約控除と呼ばれる契約時の必要経費を差し引かれるからです。
ここには、審査費用や保険証書などの書類発行に掛かるコスト、さらには、生保レディーたちの人件費も含まれます。

でも、えっ、どうしてそんなの、こっちが持たなきゃいけないの?
それって、保険会社の経費でしょうと思われるでしょう。

しかし、国内大手の生保会社は、未だに相互会社という形態を取っています。
これは株式会社のように、株券を買う事により持ち主になる、いわゆる投資家はいません。

私たち一般の契約者が支払う保険料をまるごと資本として運営される方式で、加入者イコール構成寺院、即ち、社員なのです。
よって、自分の保険に掛かる経費は、自分で負担しなければなりません。

とは言っても、一度入ってしまえば後はお互い知らん顔!
何かあって初めて動くというものですから、最初は多額のコストが掛かりますが、その後はそれほどではないものと見られます。
ですが、だからと言って、当初だけ月額を上げるというのも、ややこしい話!
そこで、毎月少しずつ徴収し、そのうち帳尻が合えばいいという暗黙のうちのルールが存在するのです。

解約控除金の仕組み

これを分かりやすく説明すると、仮に契約時の諸経費が10万円掛かったとしましょう。
すると、本当なら、第1回目の支払時に、それを上乗せして請求したい訳です。

携帯電話の新規加入や機種変更をすると、その手数料は、その月の利用料に加算され、翌月請求されますから、極端に支払金額が多くなりますよね。
その代わりに、後は請求額が軽減される仕組みですが、保険だけは、この初回の上乗せをしません。

もし、月々の支払いが1万円ずつと決ると、そのうちの1,000円をその部分に充てるというような形を取ります。
となると、10万円を月々1,000円ずつ返済する形になり、100回払いとなりますから、約8年という長い年月が掛かるという訳です。

そのため、その残高がある間に解約すれば、それをそっくりそのまま差し引かれます。
これが解約控除金。

まあ先の例は、ちょっと大げさな話ですが、ようするに、そんなこんなの事由により、早期に解約しても、返戻金は戻って来ない可能性が高いという事です。

責任開始日と保障

また、申し込み手続きをしても、すぐにサポートが開始されるというものではありません。
一般の生保でも、必ず責任開始日というのが定められ、その日以降の死亡や入院については保障されますが、今日入って今日保険金が下りるという事は200パーセントないのです。

何しろ、最初に書いた通り、元気なうちに、将来のために入るものであって、本来、すぐに必要になること事態、おかしなものであるというのが根底にあると言っても過言ではないでしょう。

人間というのは、いつ、誰に何があっても不思議ではない生き物!
すぐに病気になる事も大いに考えられます。

ですので、責任開始日以降、明らかに不可抗力と分かる急性盲腸炎やぎっくり腰などで入院すれば、問題なく給付金はすぐ下りるでしょうし、飛行機事故や鉄道事故で他界しても、文句なく保険金は支払われるものと思われます。

ただ、通常2年以内に発病した成人病等や少々手の込んだ死傷については、一応それなりに調べます。
そして、どうやら契約時には誰にも予期できなかったと判断されて、ようやく給付金などが受け取れるという流れです。
すなわち、いくら正当な状況にあっても、すぐにお金がもらえるとは限っていないのです。

告知義務違反を主張され、強制的に契約解除となるケースも?

おまけに、それが契約日以前の健康状態などと大きな関わりがあるものと見られれば、たちまち告知義務違反を主張され、お金が下りるどころか、強制的に契約解除になる事もあるでしょう。

それでも、一応解約返戻金は戻って来る条件は添えられますから、まあ会社側としては、武士の情けだと言ったところです。
けれど、先述の通り、加入直後なら、コストを引かれ、物の見事に0円という事も大いに考えられますね。

特に、生保というのは、長期にわたって多額の保険料を納める大型の買い物です。
中々すぐに加入なんて、必要性を感じていてもできないものでしょう。
それをあっさり入るという事は、良からぬ企みがあっての事も考えられなくはありません。
そういう意味では、ここでもやっぱり“すぐ”には問題視せざるを得ない点があります。

という事で、生保で損をしないようにするためには、保険料の支払いも含め、入ってからすぐに何とかすればいいとか、何とかなると思うのは賢明とは言えません。

やはり長期契約を維持する事を前提に、しっかりと検討してから申し込み手続きをするようにしましょう。

関連記事

コメントは利用できません。

お問い合わせ

当サイトへのお問い合わせは
こちらからお願いいたします。

ブログ

ページ上部へ戻る