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養老や終身・掛け捨てなど生命保険の種類を把握しよう
生命保険には、終身や定期、掛け捨て、あるいは、医療保障、養老、個人年金と、とにかく多種多様の商品があって、何がなんだか、どれがどう違うのかさっぱり分からないとおっしゃる方は少なくありません。
しかし、元々の生保というのは案外単純で、終身型・定期型・積み立て型の大きく分けて3つの種類しかないのです。
ようするに、肉・野菜・魚と言った3種類の生鮮食品が存在するのと同じような形です。
終身型・定期型・積み立て型の3種類
ただし、肉の中には、牛肉もあれば豚肉や鶏肉もあって、さらには、羊だの馬だのと、いろいろなジャンルが含まれます。
これは野菜や魚においても同様で、例えば野菜なら、葉物や根菜など、魚に至っては、白身・赤身・青魚というような区分もあれば、刺身や干物のような調理法による分け方、さらに、甲殻類や魚卵というような分類法もあります。
それと同じで、生保にも、それぞれに様々な形態や条件を持つ商品が入っている訳で、恐らく、それらが我々一般人の頭をこんがらかすのでしょう。
ですので、まずはそれをきちんと整理し、区分する事で、一気に違いや特徴が分かりやすくなります。
そこで今日は、ここに簡単に代表的な保険商品をまとめ、一覧にしました。
是非ご参考にして頂ければ嬉しいです。
終身型タイプ
まずは最もポピュラーな終身型から・・・!
こちらは読んで字のごとく、我が身が終わるまで、即ち、一生保障が続くもので、死亡だけでなく、医療も多数存在しますから、正にいつ倒れても、死んでも大丈夫という保険ですね。
特徴としては、払込金額より受け取れる保険金の方が多くなる事と、貯蓄という形式になっているお陰で、解約すれば今まで納めたお金の大半は返戻金として返って来るという事が上げられます。
そういう意味でも、いつ、何があっても安心と言われているのです。
ただし、この解約返戻金や一生涯保障には、商品ごとの様々な形式があり、これが所謂小区分される訳です。
例えば、「低解約返戻金型終身保険」の場合だと、途中で解約すると、いくらも戻って来ない代わりに、月々の支払いを目一杯安価に抑えましょうという方式で、払い込み満了時まできちんと保険料を納めれば、物によっては、一般の終身型より返戻率が高くなる商品も存在します。
また、月額が安いから、死亡保障や入院給付金も安くなるという心配はなく、正しく、長い年月を掛けてコツコツと大きな保障をエルというパターンですね。
それに対し、高額でこじんまりとした保障を得るのが「無選択型終身保険」!
こちらは、持病があろうが、多数の病歴があろうがお構いなし!
その名の通り、加入者を選ばない保険です。
ですから、医師の診察はもちろん、細かな健康診断書の提出や告知義務はあってないようなもので、それが要因で却下されるという事はほとんどありません。
その代わりに、加入から2年前後の所定期間内に病気によって他界した場合には、死亡保証金は支払われず、それまで納めた保険料だけが返って来るという条件が添えられています。
加えて、元々ハイリスクな人物を引き受ける訳ですから、月々の支払金額も高価なのが大きな特徴!
それでも、健康面での事由から、通常の生保に契約出来ない人にとっては、家族にまとまったお金を残せるという事で、救世主となり得る存在ではないかと思われます。
定期型タイプ
次に定期型ですが、これは最も多種多様の商品がラインナップされている、いわばよりどりみどりの世界です。
こちらは一生涯ではなく、必ず保障を約束する保険期間が定められ、その期間終了イコール、払い込み満了時となります。
ただし、最後まで頑張って保険料を納めたところで、1円も返っては来ません。
所謂掛け捨てと呼ばれるタイプで、それと引き替えに月々の掛け金を安価に設定しているのが大きな特徴です。
とにかく少額で高額の保障を得たい方には打って付けで、実際、最も家計が苦しい時期ほど、多額の保険金が欲しいというのが本音である事を考えると、それなりの意味と用途は大いに持つと言えるでしょう。
また、この要望を満たすという面では、加齢とともに死亡保証額が減って行く「逓減定期保険」もお勧め!
確かに、最初から最後まで同じ掛け金で、受け取れるお金に差が出るというのは、納得出来ないような気もしますが、一家の大黒柱としての責任が一番重たい時期に入れば、そこから数年は十分な保険金が約束されますから、安さを見ても、腹を立てるようなものではなさそうです。
それに対し、逆の「逓増定期保険」というのもあって、それこそこれは、独身時代に加入しておく事により、家族が増えるごとに安心率も高まりますし、法人を立ち上げ、これから頑張ろうという方にも最適!
しかも、基本的には掛け捨てとは言え、中途解約すれば解約金が受け取れますから、何事もなければ、終了直前に潰して現金化するという事も可能です。
尚、年齢によって保証額が増減するところまで考えずとも、どうしても安価に、されど一生涯保障が欲しいとおっしゃる方は結構いらっしゃいます。
ですので、そういう方には、保険期間を満90歳や95歳に設定出来る「長期定期保険」の活用がお勧めです。
ここまで保障が継続すれば、これはもはや終身と言っても過言ではないほどで、それこそ、葬式代としての価値は十分出て来るものと思われます。
また、最低限の保証額でよければ、月々の保険料も僅かですから、年金生活に突入してからでも何とか払えるという事もあって、これからの時代には支持される商品になりそうですね。
積立型タイプ
さあ、最後はいよいよ「養老保険」や「学資保険」が該当する積立型保険です。
こちらの最大の特徴は、払い込み期間終了時に受け取れる返戻金と死亡時に受け取れる保険金の額が同額で、あくまでも、これまで払い込んで来たお金に、ほんの僅か利息が付くと言ったものですから、何千万の貯蓄や死亡保障を確保するには無理があります。
とは言っても、こちらは最初から死亡保障を充てにして加入する保険ではありません。
老後の生活資金や子供の学費など、生きるための目標を立て、それに向けてお金を準備するための商品で、保険としての感覚は持たない方が無難でしょう。
だったら、何もわざわざ保険にしなくてもと思われるカモ知れませんが、そこが生保の有り難いところで、契約者が死亡したり、高度障害を負えば、以後、保険料の支払いは免除され、満了時には約束通りの満期金が受け取れます。
つまり、パパが亡くなったからと言って、子供が大学進学を諦めざるを得ないとか、夫が死亡した後、年老いた妻が路頭に迷うというような自体を避ける事ができるのです。
また、別途被保険者が入院した時に給付金が受け取れたり、他界した後に保険金がおりるような特約を付帯させる事もできますから、是非とも加入しておいて損はない保険であると言えるでしょう。
ただし、一般的の保険料が高価で、余裕があればという事を付け加えたいと思います。
死亡保障・医療保障・年金と税金の関係
このように、3種類の生保には、それぞれ一長一短がある訳ですが、それなりの目的もちゃんとある訳です。
ですので、それらをしっかり考え、本当に自分たちのライフスタイルに合った商品を選択する事は必須でしょう。
尚、近頃では、明治安田生命が出している「L.A.」と呼ばれるアカウント型保険、こういうのもあるのですが、これはまだ今のところ、正直言って、素人が容易に手を出すには危険な新ジャンルの商品であると言ってもいいと思います。
加えて、保険の種類にはもう一つ、これまたオーソドックスな、死亡保障・医療保障・年金という分け方もあります。
実はこの区分は、税金を大きく左右する事に繋がるかも知れません。
というのも、平成22年の税制改革により、年末調整や確定申告で受けられる保険料控除の要件が代わりました。
これまでは、個人年金保険以外は全て一般生命保険として保険料控除申告書に記入する事になっていましたから、あれこれ多種多様のプランに加入していても、控除の上限に達してしまってそこまでという事がしばしばでしたが、今は新たに医療保険や介護保険の枠が設けられています。
ですので、そこに区分できるような条件を持つ保険に入る事により、節税もできますから、見直しや新規契約を検討される際には、それも少し頭の隅っこに置いておいていただければと思いますね。