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進学や就職、あるいは転勤や結婚など、人生の節目を迎える事の多いこの時期は、一年で最も生命保険の新規契約や見直しがされる時だけに、どこのどんな保険が人気になっているのかを見てみると、驚くことに上位5位までに漢字の会社がありません

漢字がないというのは、即ち、大手4社と言われる国内系老舗生命保険会社の主力商品がランキングのベスト5に入っていないという事です。
5社のうち3社までがカタカナか英語表記の所謂外資系、残る2つはひらがな交じりの損保系!

いずれも、対面ではなく、パソコンの前で加入手続きができる商品をメインとし、お手頃価格で充実保障を売りにしている会社ばかりという事で、時代の流れを感じずにはいられませんね。

定期や積立てって本当に必要な特約なの?

これはあくまでも、終身死亡保険における話ですが、逆に言えば、日本法人にとっては、終身こそが命とも言える存在で、定期や積立ては所詮、特約に過ぎません。

となると、そのメイン商品が苦戦しているという事になるでしょう。

しかし、こうした新しいスタイルのプランが本当におすすめなのかどうかという事は、個々が持つ生活環境や健康状態、そして収入と言った事により、大きく左右されます。

少なくとも、終身型である以上、一生涯の保障を前提にしたものですから、そう容易に解約したり変更したりするものではなく、今がよくても、10年後・20年後がどうかというところまで考えておくに超した事はないでしょう。

となると、正直なところ、カタカナ生保と呼ばれる外資系やネット専業型生保会社は、まだまだ日本での実績が浅いところから、不安視する声が少なくないのも事実です。

しかし、万が一経営が行き詰まっても、多くの場合、どこかに吸収合併されるという形になり、これは今や新参者だからそうなるというものではありません。
その証拠に、明治生命と安田生命という旧家のお坊ちゃまとお嬢様が結婚して誕生したのが明治安田生命です。

しかも、我が国には、生命保険契約者保護機構に入らなければこの手の事業は営めないという規則があって、それにより、責任準備金、即ち、加入している保険の90パーセントは常に保障されています。
つまり、もし契約している保険会社が潰れても、払い込んだ保険料の9割は戻って来るという事なのです。

それでも、損する事に変わりはないだろうと思われるかも知れませんが、ならば、会社が存続していれば、常時、支払った分だけの掛け金は保護され、解約すると全額戻って来るのでしょうか?

もしそうなら、銀行の貯金と同じで、取り敢えず安心なのですが、残念ながらそうは行かず、商品によっては払い込み満了時前に潰すと、解約返戻金が元本割れしてしまう事はしばしば!

取り分け、少しでも安価に高額保障が得られるようなプランを選択される方は多いかと思いますが、世の中そんなに甘くはないとばかりに、そういう事態が待ち受けているのです。

予定利率の高い商品は割引率が高い

というのも、元々終身保険とは、将来の保険金を若いうちからコツコツ貯めましょうというものですが、払い込み金額が1,000万円で、1,500万円の死亡保障がもらえるなんて、何とも不思議だと思いませんか?

確かに、貯蓄型とも呼ばれるこの手の保険は、払い込み済みのお金イコール、契約者の資産という事になり、貯金と同じく利息は付きます。
それでも、ここまで増えるなんて、そう容易にあり得る事ではないでしょう。
実はそこに生保の大きなからくりが潜んでいるんです。

一見、おとなしく預かって、きちんと積み立てしてくれているように思われている保険料ですが、実際には、保険会社はそれを使って国債を買うなどの資産運用をしています。
そして、それで得られる利益を、あらかじめ予測したのが予定利率!

こんな風に言うと、人のお金を勝手に使ってそんな事をしているのかと思われるかも知れませんが、本当なら、死亡時に1,500万円の保険金を受け取るには、今の利回りから考えると、恐らく払い込み期間30年の長期契約であっても、総額1,450万円くらいは納めなければならないものと思われます。

それが1,000万で払い込み終了、後はお亡くなりになった際には1,500万円お支払いしましょうと言ってもらえるのは、明らかに保険料の割引をしてくれている事になります。
即ち、あらかじめ弾き出した予定利率で増える分を差し引いてくれているという訳です。

よって、予定利率の高い商品は、それだけ割引率が高い商品という事で、この上ないお得な保険!
特にバブルの時代に販売された終身型によく見られるパターンで、今やお宝保険と称されています。

元本割れする理由

ただ、これは何十年と掛けて、ここまで収益を伸ばすものであって、契約期間が浅ければ、そこまで十分なお金はたまっていません。
要するに、割引価格の分が全く埋まっていない状態で解約するのですから、増えるはずがないのです。

加えて、解約払戻金というのは、納めたお金が全額戻って来るのではなく、そこからその保険に掛かったコスト等が差し引かれるため、ただですらも減額する事になっていて、早期に潰すと元本割れする理由はここにあるのです。

当然のことながら、これは一括払でも同様で、資産運用によって増えない限り、加入者が利益を得られる事はありません。
ですので、一括払いであっても、一定期間を過ぎないうちに潰すと、損をしてしまうという泣くに泣けない自体が発生します。
こうした事を考えると、それほど高額の終身保険に入らなくてもいいのでは?となる訳です。

無論、死亡時の保険金を目当てに掛けているのであれば、途中で辞める必要などないというもので、払い込み満了まできちんと支払いし、後は寿命が尽きるのをじっと待っていればいいようなものなのですが、そうはいかない事も多々あります。

そこで、低利率時代を絵に描いたかのように、もはや終身型で死語の遺族の整形を支えるというのは、流行らないと見ていいでしょう。

掛け捨ての定期型の方がお得な場合も!?更新型のデメリットとは

実際問題、掛け金と受け取れるお金のバランスを考えると、掛け捨ての定期型の方がお得で、浮いた予算で収入保障保険や子供のための学資保険にでも入っておけば、多額の遺産がなくても、残された妻子はさほど困らないものと予測できます。

ただし、必ず10年ないし15年で更新を迎える定期は、切り替え時期に加齢による保険料アップというリスクがあって、ずっと同じ月額でとは行きません。
そう、若い時に入れば、確かに最安値かも知れませんが、次回はそうでなくなるというのが更新型のデメリットの一つです。

その点、終身型は定額で、下手に弄らない事により、出費が増える心配はないと言えます。
という事で、元々お手頃価格で一生涯というカタカナ生保の商品が人気を集めているものと思われます。

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