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生命保険と言えば、死亡保険金と入院給付金がいくらというような話をよくされますが、この2つが端から約束されているような商品など、まずないと言っても過言ではないでしょう。
というのも、どちらか一方が主契約で、どちらか一方が特約になるからです。

その違いは何かと言うと、ベースになるのが主契約!
こちらは正に読んで字のごとくで、多くの生保の場合、死亡保障がこれに該当し、これだけでも一つの生命保険は立派に成り立つのです。

それに対して特約は、いわゆるオプションであって、それら単体での契約はできません。
あくまでも主契約あってのもの。

主契約のみ残す!必要最低限の保障を考える

しかし、商品によっては、驚くほど多種多様の品が取りそろえられていて、入院のための特約、通院のための特約、休業中の収入を得るための特約・・・と、あれもこれもと組み合わせて行けば、正しく何があっても安心のパーフェクトな生命保険が作れる事でしょう。
その代わりに、複雑になり、高価になります。

そう、手持ちの生保を極力安くてシンプルなものにしたければ、最終的に主契約のみを残す形で、特約を全て取っ払ってしまえばいいだけの話なのです。
例えそこまで徹底的にスリムにしなくても、必要最低限の保障のみを残すという形態で、余分な部分を取り除けば、保険料は随分減額される事でしょうね。

特に老舗の国内系大手生保会社の商品は、この特約だらけで、だから高くて複雑だという部分は否めません。
ですので、それらを整理するだけで家計を楽に出来るという見直し方もあるのだという事を知っておいて頂きたいと思います。

転換のメリットやデメリット

よく、月額を下げ、保障を充実させるためには、転換が一番だと生保レディーたちはお勧めしてくれますが、それはズバリ、彼女たちにとって最良の方法だというだけの話であって、我々加入者にとっては、メリットもないとは言えませんが、デメリットの方が大きいと見て間違いないでしょう。

なぜなら、転換というのは、既存の生保を解約し、その返戻金を頭金としてまとめて払い込むという形で全く新しい商品に加入する事だからです。
すると、当然ですが、セールスのおばちゃんたちにとっては、新規契約1件獲得という事で、成績アップに繋がります。
加えて、以前の主契約が、高利率のお宝終身保険なら、生保会社自体も得になるという理屈なのです。

確かに、古い保険は、特に医療保障などは、今の先進技術には対応しておらず、様々な制約や足らずから、入院や手術をしても、十分サポートされない事は往々にしてあるものと考えられます。
ですから、そういう特約は、謂わば無駄なお金を払っているようなもので、とっとと取っ払うのが賢明というもの!
しかも、これらは全て、終身保険にセットされているとは言え、貯蓄性を一切持たない完全なる掛け捨てです。
いつ外しても惜しくはありません。

ならば、別に単体で最新の医療保険や収入保障保険に入り直すという形の変更にすれば、年末調整や確定申告で行う医療費控除においては、一般生命保険とは全く別枠の「介護・医療保険」枠で最高4万円までの控除が受けられます。
すなわち、保険料のみならず、税金の節約にも繋がるのです。

若い頃に加入した終身保険は安易に解約しないのが得策!?

実際問題、何もわざわざメインの死亡保障まで潰す必要性は低いでしょう。
何しろ、これは最もシンプル・イス・ベストの商品で、他界すれば保険金が下りるという単純明快なものです。

いつの時代もこの原理が変わる事はなく、人はいつか必ず死ぬ生き物である事を考えても、見直す必要など全くないものと考えられます。
一時的に高額の死亡保障が欲しいのであれば、定期保険で賄えばいいだけです。

しかも、若い頃に入った終身保険は、保険年齢が低かったお陰で、掛け金が安く、その料金は、払い込み期間終了時まで変わりません。
それを今、新しい保険に加入し直すなんてすれば、現時点の年で計算されますから、たちまち一気に上昇する事でしょう。

まあもっとも、転換においては、だからこそ、そうならないようにするために、解約返戻金を活用するのだというのが外交員たちの説明ですが、ならば、ずっと払い込んで来たお金に加えて、これからも支払って行くという事で、より一層、無駄な手続きになりそうですね。

そして何より、今の保険が昔の保険より予定利率がいいとは、まず考えられません。
何故なら、この予定利率というのは、生保会社が我々から預かった保険料で財テクし、そこから得られる利益率を、あらかじめ予測した数字で、これが高ければ高いほど、責任準備金と呼ばれる積立金は、少ないお金でたくさん貯まるからです。
もっと分かりやすく説明すると、例えば、1年間で120万円の貯蓄をしなければならないとします。

そこで、今から12ヶ月間で目標達成しようと思うと、毎月10万円ずつ積み立てて行かなければなりませんが、株や国債を買って、その利回りで60万円ばかり稼げる見込みがあるとしたらどうでしょう?

残り60万円をコツコツ貯めればいい事になり、月々の貯金は5万円で済みます。
そう、予定利率が高ければ高いほど、私たち契約者の自己負担額は減額される!
即ち、割引されるというところから、これは正しく保険の割引率であるという専門家もいるくらいです。

しかし、何せ財テクという一つの博打でそれを実践しようというのです。
ある意味、実に危険な話で、石橋を叩いて渡らなければならない生保会社としても、今の景気動向を見ると、そう容易に高い数字を弾き出せないのが本音です。
けれど、思い切ってバンバン高利率を予測できる時代がありました。
いわゆるバブル期です。

そこで、当時に加入された終身保険については、今見ると、驚くほど大きな数字が保険証書の予定利率の欄には記されていて、それは解約するか、死亡保険金を受け取らない限り、永遠に約束されているのです。
要するに、少ない払い込み金額で、沢山お金が貯まっている状態にあるという事ですね。

ところが、それを潰し、新たに現在の金利で計算される保険に入り直せば、いくら月額は抑えられても、思ったほど貯蓄できないという事になり、解約返戻金は大幅に減額されます。
そんなこんなを考えると、まずは主契約のみを残す形で、保険料の軽減を検討する事が、いかに大切かという事をお分かり頂けるでしょう。

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