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被保険者や受け取り人が他人ってあり!?生命保険と他人名義
他人名義の生命保険で大金持ちになんて言うと、いかにも推理小説の定番ストーリーという感じですが、果たして、現実にそういう事が可能なのでしょうか?
答えは、法律上ではNoです。
なぜなら、生保というのは契約者と被保険者、そして受取人が存在する訳ですが、まず基本的なスタイルは全てが同一人であって、そもそも、どこかが別人とか、ましてや三者三様というのはもってのほかと言えるからです。
ただ、実際には、この3人の関係が第1親等ないし第2親等の範囲であれば問題なく、保険会社によっては、第3親等まで受け付けるところもあります。
よって、子供が親に保険を掛け、自分を受取人にするとか、祖父母が自らを被保険者とした保険の受取人を孫にするというのは問題ありません。
犯罪を防ぐために被保険者や受取人を他人にはできない
しかし、被保険者が他人、すなわち生命保険を他人にかけるという事はできない事になっているのです。
もちろん「他人が受け取り」というのも、認められてはおらず、その理由は至って簡単で、犯罪を防ぐためです。
正に小説はやっぱり小説であるという事を絵に描いたような理屈ですね。
ちなみに、親等というのは、親族関係の続柄の距離を示した図式で、1から6まで、数字が大きくなればなるほど、血縁関係は薄くなります。
本人を0親等とすると、1親等に当たるのが両親で、2親等に当たるのが祖父母!
また、実子は1親等で、兄弟姉妹は2親等と、ここまでは正に直系ですから、お金を残す価値もあるというものでしょう。
それに、互いを必要とする度合いも高く、その必要な人がいなくなると、たちまち困る事も十二分に考えられます。
という事で、生命保険における契約者や受取人になれるという訳です。
妻や夫は本人と同位置の0親等
尚、3親等は、ひいおじいちゃんやひいおばあちゃん、あるいは曾孫も含まれますし、叔父・叔母と甥・姪も入ってくるという事で、かなり広範囲になるのですが、実際問題、それほど血縁力は濃厚ではなく、愛情もやや薄らぐのが本音かと思われます。
そのため、下手に生保に関わると、やはり事件や事故に絡まないとも言えませんから、関与を拒む保険会社も多いのでしょう。
しかし、ここで一つ、上記の解説において、大切な人が抜けている事にお気付きでしょうか。
そう、最も身近なはずの妻や夫、それがどこにも出て来ていないのです。
ならば、夫婦関係は、子や孫よりも軽薄なのか?
思わず、うんうん!とうなずいておられる方も多いかも知れませんが、決してそんな事はありません。
むしろ、親よりも、子供よりも濃厚なのが熱愛の末に結ばれた男女!
そこで、夫婦は一心同体と見なされ、本人と同位置の0親等となります。
となると、自分の分身な訳ですから、生命保険においては、自由自在に参加できるのです。
要するに、契約者になって、夫や妻に保険を掛けようが、相手が契約している保険を受け取ろうが、誰も文句は言えません。
まあもっとも、これが一番危なくて、正しく事実は小説より奇なりを絵に描いたような事件が後を絶たない訳ですが、それでも、それが本来の夫婦のあるべき姿であると悟るべきなのでしょう。
籍が入っていない場合はどうなる!?
その一方で、籍は入っていなくても、しっかりと強い絆で結ばれているカップルが多いのにも関わらず、こうした内縁関係は事実上の血縁関係が認められていないため、法律上、親族とはみなされないという冷たい現実も存在します。
結果、生命保険の被保険者や受取人にもなれないのです。
そのため、もしどうしてもというのであれば、公的効力を持つ遺言書というものを作成し、そこに死亡受取人として指定しなければなりません。
それでも、ひとまず契約書面上の受取人欄には、親兄弟などを指定しないと話は始まらず、公正証書がどうのこうのというのは、それからの話です。
また、それがあるからと言って、必ずしも保険金が受け取れる訳ではありません。
とにかく、真っ先に物をいうのは契約者の意志ですが、それが被保険者で他界してしまえば、正に死人に口なしで、後は受取人や保険会社がどう出るかは保障できないと思っておいた方が無難でしょう。
相続税は課税されないが贈与税が課せられる
さらに、無事に商談成立となり、死亡補償金の全額もしくは一部を受け取れたとしても、それは法定相続人が受け取るのとは異なり、遺産の生命保険控除は一切受けられません。
すなわち相続税も課税されないのですが、その代わりに、人からお金をもらったという事で、贈与税が課せられます。
正直、税金としての金額は、相続した上での生保非課税額が1人500万円なのに対し、贈与税は110万円ですから、少額でも、納税義務が発生する確率は低くないものと思われます。
ですので、どうせ散々もめた挙げ句に、いくらかしか分与してもらえないのであれば、100万円程度で手を打つのも一つの賢い手かも知れませんね。
内縁の夫や妻の他全ての第三者の受け取りを希望する場合
尚、当然ですが、入籍さえすれば、その直後から0親等になれる訳で、他人が契約したものでも、その人が受取人変更をする意思を強く示してさえくれれば、更改できます。
親が亡くなる直前に再婚し、保険金の行方が大きく変わってしまうというのは、よく聞く話ですよね。
これは、内縁の夫や妻に限らず、全ての第三者の受け取りを希望する際に当てはまる事です。
実際、親子関係が劣悪になりつつある昨今、遠くの身内より近くの他人とはよく言ったもので、生きてるか死んでいるかも気にしていないような息子や娘より、いつも親切にしてくれる隣のお嬢さんに少しでもお礼としてお金を残せれば・・・!
と考えられるお年寄りも珍しくなくなりました。
加えて、身寄りのない高齢者の増加も手伝って、同棲カップルだけでなく、多くの良き人間関係を守れるような新たな保険制度が必要になりつつあるのは間違いなさそうです。
そこで近頃では、それなりの調査はしっかりするものの、柔軟に対応した契約形態を認める生保会社も出て来つつあります。
という事で、そろそろ国も法律を見直す時期に来ていると言えるのかも知れませんね。
もしかして、その方が犯罪が減るのかもしれないですね。
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