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妻が旦那名義の生命保険でお金を借りていて、そのまま離婚!
何も知らない元夫は、楽しみにしていた解約返戻金が受け取れず、ガッカリなんていう事例が結構あるんです。

でも、保険に疎い多くの男性は、気が付かないどころか、判明してもまだ、そんな事があるのか?とか、できるのか?と首を傾げられます。
そこで、そんな被害に遭わないようにするためにも、保険会社の実施している契約者貸し付け制度というものをしっかり把握しておきましょう。

契約者貸付制度について

こちらは、今加入している生命保険を担保にお金が借りられるというシステム!
ただし、担保という限り、それなりの返済保障が得られる商品でなければならない訳で、対象となるのは解約返戻金や満期金のある保険、すなわち終身保険や養老保険、あるいは学資保険で、掛け捨ての定期保険は例え1億円のコースに入っていても、相手にしてもらえません。

narrator
とは言え、よくよく考えてみれば、終身や養老というのは、元々貯蓄型と呼ばれる保険で、毎月積み立てする形で支払っている訳ですよね。
となれば、自分のお金なんだから、借りるもへったくれもないだろうと言いたいところなのですが、残念ながら、こうした保険料は全て一度支払ってしまうと、預かっていると言いながらも、保険会社のもの!

彼らは、それを元手に、国債などを買い、資金を増やしているのです。
よって、貸し付け金という扱いになります。

所定の期日に返済!貸付可能額は?

貸付金とは、所定の期日に返済する事を約束させた上で貸し付けた金銭の事で、貸した側には以後、債券が発生します。
すなわち、借りた側には返済義務が生じるという事です。

ただ、一口に期日と言っても、その範囲設定は実に幅広く、それが1年以内のものを短期貸し付け、1年以上のものを長期貸し付けといい、多くの場合生命保険からの貸し付けは長期貸し付け、それも驚くほど超長期なのです。

というのも、例えば子供が生まれた時に、満18歳で大学進学のためのまとまったお金が下りるようにと、300万円貯まる学資保険に入ったとします。

すると、この最終目標の我が子が満18歳になる時が返済期日で、貸付可能額は、その300万円の約70パーセントから90パーセント、およそ210万円から270万円となるという仕組みだからです。

従って、息子が5歳の時に借りたお金は、その後の13年の間に完済すればいい事になり、何とも悠長な貸し出しです。
さらに、30年で1,000万円ほどにして払い込み満了を迎えるような終身保険においては、まさに期日も貸付限度額も住宅ローン並み!

おまけに、お金を貸す訳ですから、当然、利息は取られますが、それでも通常のカードローンなどに比べれば、遙かに金利が安い事や対象となる商品にさえ加入していれば、それ以上の担保はないという事で、審査もない事。

加えて、返済方法もまた、実に柔軟で、もちろん一括返済できればそれに超したことはありませんが、分割どころか、ある時払いでも全然OKというのですから、驚くほどメリット満載で、本当に急な出費を余儀なくされた時などには、是非利用しない手はないと言っても過言ではないでしょう。

保険会社にとって、加入者は大切なお客様、やはり大事に思い、優遇してくれているんだなぁと言う気がしますね。

デメリットは年利複利での貸し付け

ですが、これだけ美味しい話に落とし穴がないはずがありません。
何しろ敵はプロの金融屋です。

一見、利用者思いのサービスに見えて、実際には絶対に自分たちが損をしないどころか、得をするようにプランニングしています。
その最も分かりやすいところが、年利複利で貸しているという部分!

この複利というのは、最初こそ元本プラス利子という事で、年利1パーセントで1万円を融資した場合、1年目の元本と利息を合わせた総返済額は1万とんで100円ですが、2年後には、元金の1万円にではなく、1年目の総返済額1万100円に1パーセントの利息が付き、それが110円ですから、総額は1万とんで210円。

さらに、3年目は2年目の元利合計に1パーセントという事で、121円が加算され、1万とんで331円となる貸付法です。
つまり、元金だけでなく、利息までもが利息を生み、3年で331円も利子が付くという計算方法なんですね。

これに対し、通常の銀行や消費者金融が用いる単利は、あくまでも元本に年々所定の金利が増えて行くというシステムで、同じく年利1パーセントで1万円借りても、3年目の返済額は1万とんで300円と、そう、こちらの方が低金利なのであります。

とは言っても、肝心要の年利自体が低いのですから、短期間で返せるのであれば、断然お得という事にはなるでしょう。
ただ、完済を先延ばしにすればするほど、その限りではないということを強く認識しておく事は必須です。

放置すればするほど満期金や解約返戻金を上回るリスクあり

narrator
加えて、20年後までにまとめて返せばいいのだというように安心し、半ば放置状態になってしまうと、このような複利法で膨れあがる借金はあっと言う間に巨額になり、満期金や解約返戻金を上回る可能性は低くありません。
そうなったらどうなるか?

答えは至って簡単で、それ以上返済は求められませんが、その保険は自動的に解約され、返戻金やお祝い金どころか、保障も全て失効してしまいます。
すなわち、そこで契約解除という事です。

例えそこまで行かなくても、解約時や満期時までに利息を含めて完済されていなければ、それを綺麗に差し引いた額しか受け取れず、当然、返金0円ということも大いに有り得る訳ですね。

しかも、近頃は、この生保による契約者貸付制度も、一度手続きすると、その後はカードを使ってATMで自由自在に借りたり返したりと、消費者金融さながらの便利さに進化してきました。

ですから、本来なら契約者以外の人間が利用出来ないはずなのですが、先のように妻が知らない間に勝手に使う事も十二分に可能なのです。

そうなると、やはりいくら優良企業との取引であっても、借金は借金であるということと、様々なデメリットを確実に認識した上で、本当に必要な時にのみ活用するべきものでしょうし、それ以上に自分の命の代償とも言えるのが生命保険です。
しっかりと管理するようにしないといけませんね。

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