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損害保険には、原則として一つの事故や災害に対する保証額の上限というのがその都度弾き出され、それを1社の保険でまかなうか、もしくは、数社で分担して支払うという規定があるのですが、生命保険や医療保険には、そういったルールは一切ありません。

10社で入院日額1万円のプランに加入していれば、1万円×10社分で、毎日10万円の給付金が入って来る訳です。死亡保障も同様で、例え1社当たりは7,500万でも、10社分となれば7億5,000万円ですから、まさに恐るべし総額になります。

そう、これこそが保険金詐欺や殺人の最大のからくりなのです。

とは言え、こういうことが有り得ると分かっているということは、未然に犯罪を防ぐ手立てもあるというものでしょう。
実際、複数の会社で類似の保険を契約する場合、必ず他社でも加入している旨を告知しなければならないという規則があります。

ただ、それを守るか守らないかは、まさに契約者の良心次第で、特に個人情報の保護が厳しくなった昨今、保険会社が契約者の銀行口座や給与明細を容易に調べることはできません。

また、本音を言えば、1件でも多くの契約を取り、1人でも多くの顧客を抱えたいというのが営業マンや生保レディーたちです。
彼らの収入は獲得件数で決る訳ですから、変に調べるなんて余計なことをして、せっかくのチャンスを逃すなんて、誰が喜んでやるでしょう。

結果、言ったもの勝ちならぬ、言わなかったもの勝ちという暗黙のうちのルールのようなものが成り立ってしまっているのです。

損害保険の多重契約と多重給付

こうして、数社の保険会社を巻き込んだ多額の保険金詐欺や殺人は、忘れた頃にまた必ずや発生します。
なんと、本来なら、それが絶対に認められないはずの損害保険においても、堂々と多重契約と多重給付が行われているというのですから驚きです。

しかも、故意に保険金を受け取ろうとするには、病気はいささか難しく、やはり事故に見せかけた怪我や死亡という事になるでしょう。そうなると、ますます生保に比べて、比較的掛け金もお手頃な損保は、美味しい存在。悪事を働く輩には、絶好のターゲットになるものと考えられます。

ですが、特に死亡保証金に対しては、例え少額でも死因があまりにも怪しいと思えば、保険会社同士の間で、自然に情報が行き交い、数社が結束して調査に乗り出すことが一般的だと思っておいた方が無難です。

そこでまずは告知義務違反が明らかになり、一気に立場は悪くなります。そして、やがては多重受け取りや不審な契約がばれてしまうのです。

もちろん悪事ではなく、複数社の保険を契約するケースは珍しくありませんし、賢い契約方法だとも言えるでしょう。各社のいいとこ取りで2~3社を掛け持ちすることにより、保険料を安く手厚い保障を受けることも可能です。

ただ、掛け持ちとなると、詳しい知識がないとなかなか難しいのが保険選び。
そこで頼りになるのが保険のプロであるファイナンシャルプランナーです。
下記に、無料で相談できる窓口・サービスをご紹介していますので、是非参考にしてみて下さいね。




死亡保障の最高額

テレビや新聞を見ていると、夫や妻を殺して何億円もの保険金を受け取ろうとしたというような事件が出ていますが、果たして、そんなに高額の生命保険が容易に掛けられるものなのでしょうか?
実際、日本で販売されている生命保険の死亡保障の最高額というのはいくらくらいなのか?
我々一般人には縁遠い事もあって、案外知られていないところだろうと思います。

そこで調べたところ、もともと生保というのは、被保険者自身に価値を付けるものですから、保障限度額というのは、それこそ人それぞれで、収入に応じて決まるという事が判明しました。
となると、私の最高額はいくらくらいなんでしょう?
気になるところかと思いますが、それは意外と分かりやすく、年収の15倍までというのが最もオーソドックスなパターン!
つまり、年収500万円の人なら、7,500万円が最大保証額です。

この被保険者の年収に対する限度額の設定は、医療保障の入院給付金にも反映され、こちらは、原則として、日額がその360分の1と定められていますから、500万円÷360で1日当たり約1万3,900円という事になるでしょう。

それでも、このケースから想像するに、月の手取りは40万円前後!
それに対し、闘病生活をすれば、30日でほぼ同額か、若干それ以上の給付金がもらえる事になり、正に極楽極楽という事にもなりそうです。
事実、これよりも多くの保険金が受け取れるとなると、馬鹿馬鹿しくて、真面目に働けないという人も続発するものと考えられます。
そこで、保険会社はどこも、そういう自体を避けるために、このような制限を設けているのです。

加えて、多額の保証金を受け取るためには、事前にそれなりの保険料を納めておかなければなりません。
実際、満40歳で至って健康そのもの、何のリスクもない健全なる男性が、払い込み期間満60歳の10億円保障という高額の終身保険に入ろうとすると、年間の保険料は3,600万円!
それを20年間払い続けなければならないのですから、事実上不可能だと言っても過言ではないでしょう。

引き受け上限額の設定

narrator

さらに、保険会社としても、いくら年間3,600万円納めてもらったとしても、それが3年ほどで10億円の保険金を下ろさなければならない自体に陥ったのではたまったものではありません。

ですから、どこの会社でも、引き受け上限額というのがあって、それに基づき、各商品ごとの引受限度額が設定されているのです。
しかも、その額は、多くの場合死亡保障3億円で、それを大幅に超えるような生保を出しているところは、恐らく日本国内にはないものと見られます。

おまけに、1億円以上のプラン契約となると、審査は念入りに行われ、単に元気だから入れるというものではないでしょう。
収入や職種、挙げ句の果てには趣味や人柄まで専門の面接官が徹底的に調べる事も珍しくはありません。

こうした事を考えると、ごくごく平凡な一般人が、何億円もの保険に加入する事自体難しく、多額の保険金を巡る詐欺や殺人事件など起こるはずがないのですが、何故か現実には発生してしまいます。
どうしてそういう事になるのか?答えは至って簡単で、数社の保険に入れるからです。

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