記事の詳細
通院の場合の支払い計算や相場は?自動車保険と慰謝料
基本的な知識として知っておきたいのは、民間のすべての保険会社は、多くの人が抱いている「慰謝料」というものは支払いません。
これは、請求される多くの「慰謝料」が、賠償額と混同されてるからですね。
慰謝料というのは、法的な根拠は全くなく、保険会社は「お見舞金」という形では一時金を支払いますが、具体的な「慰謝料」というのは、無関係である点に留意が必要です。
マスメディアで言われている支払いは起訴の部分だけ
また、弁護士や行政書士などに依頼するとか、不明瞭な説明も非常に多いのですが、この慰謝料とは、法的な根拠としては自動車損害賠償請求である、自賠責と大きな関係があります。
具体的には「実費」と深い関係にあり、入院や通院日数と掛け合わせた慰謝料計算と、後遺障害が残った場合の慰謝料の計算方法です。
ネットでよく見る数千万円以上の裁判などは、慰謝料請求ではなく、ほとんどが「賠償金請求全般」である点に注意が必要です。
賠償金請求とは、例えば未成人の人が、将来に家庭にもたらす収入などを試算し、それを損害額として請求するとか、裁判などの民事訴訟は、賠償金請求における後遺障害認定によるものが、最近ではかなり多くなってきています。
治療費、入通院慰謝料、通院交通費、休業損害賠償
一般的に、自動車保険のメインの部分は、自動車賠償保険と車両保険の2つです。
この賠償保険とは物損と人身にわけられ「治療費」「入通院慰謝料」「通院交通費」「休業損害賠償」の4つで構成されています。
これには、具体的な費用の試算が必要であり、当然、妥当性が要求されます。単に「数千万の慰謝料請求」というのはあり得ません。
前述したように、入通院慰謝料以外は、すべて賠償額ですから、具体的な日数計算と1日にかかる費用が必ず出てきます。
実際、保険会社が行うのは、まずは治療費であり、それと入通院交通費であり、休業損害と入通院慰謝料は、治療が終わってからの計算が多く、他は一時金として「お見舞金」などが支払われています。
ほとんどの場合は、大きな問題になることはなく、後遺障害以外は非常にスムーズに保険金は支払われています。
入院は、入院期間、通院は実際に通院した日数を2倍したものと、治療期間を比較し、少ない日数が適用されます。
この計算方法が、自賠責保険では、1日あたり4,500円という法律で定められており、一般的な自動車保険も、この自賠責をまず使って、保険金を支払ってます。
これを自賠責基準と呼び、治療費、入通院慰謝料、通院交通費、休業損害額が120万を超えた時から、任意保険会社の基準に合わせて、超えた分を計算して支払うことになるのです。
治療費、入通院慰謝料、通院交通費、休業損害賠償請求額が裁判では大きくとも、最終的には減額される
例えば後遺障害と呼ばれる、障害が医師の判断で身体に継続的に残った場合、後遺障害慰謝料請求という事が、裁判で争われることがあります。
この時に等級制度が用いられ、1級~14級で判断されます。
この計算が裁判基準では、過去の判例でほぼ決まっており、1級では、請求額が2,600万~3,000万円のところなら、任意保険では1,300万円、自賠責では1,100万円程度の支払いで、14級なら、裁判の判例では120万を上限としても、任意保険では40万、自賠責では32万円くらいが、相場となっています。
また、裁判などをおこなさくても、交通事故紛争処理センターなどでも、対処することができます。