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正式な保険用語でもないのに、巷に普及した言葉が多いものです。
例えば、ノンフリート等級という言葉。
これは造語で勝手に作られたもので、元々はフリート契約があるため、それと異なる契約に使われる等級制度を区別して呼んでいるだけです。

フリート契約とは、商業用以外の自家用車を10台以上保有する、いわば富裕層向けの自動車保険契約で、同じ等級でも割引率が高いというもの。
ですから、一般的な自動車保険契約は全てノンフリートですので、わざわざこの用語を頻繁に使っているのは妙な話です。

等級に影響しない事故とペナルティー

これ同じように最近になって、よく使われるのが、ノーカウント事故です。
これもまた正式用語ではなく、等級に影響しない事故を指して使っているようです。

まず自動車保険とは、「リスク」を担保として、保険料を収める仕組みです。
考え方としては、ローンと同じで、まず危険に応じた保険金を損保会社から借りておき、保険料を納めながら、その借金を返すといったようなイメージですね。
最初に借りているので、いざというとき、納めた保険料よりも高額な保険金を受け取れるというのが、自動車保険の基本的な考え方としてみると簡単です。

しかし、損保会社にとっては、本来使われない保険金を担保にしているので、それを使われるということは会社の損になります。
そのペナルティを課すのが等級制度です。
割り引きばかり目が奪われがちですが、事故で自動車保険を使うほうが、無事故で等級が上がるよりも引き下げ額が高いのは、そもそもペナルティという考え方があるからです。
つまりこのペナルティを課すというのは、契約者が損保会社に損を与えたということに他なりません。

利用しても保険料が上がらない特約

では、ノーカウント事故とは一体どういうものなのでしょうか?
これは、契約者が、自分のため、つまりは事故を起こした場合に、賠償で相手に支払う保険金以外に、自分で使える特約を利用した場合に限ります。

傷害補償とか、費用補填特約など、そもそもその特約を付けない限りは、保険料が上がらないような特約などの利用です。
これらは、契約者が使用する自動車が関係しない事故に限って、ということが言えます。

人身傷害、搭乗者傷害、原付きなどの事故など、自分が運転する自動車による事故ではなく、被保険者本人以外が請求する保険金を使った場合、それはすなわち交通事故ではないとカウントされるわけです。
加えて、自分の車と被保険者は被害を被っていないので、結果的に無事故となるわけです。
これがノーカウント事故です。

保険の特約の名称に「傷害」という名前が付いている場合、それは契約者側が怪我をしたら自由に請求できる保険という事です。
ただし、搭乗者傷害は単独で利用されるケースはほとんどなく、事実上は明記してあることにあまり意味はないのですが「車を降りた時に補償される特約は、使っても等級は下がらない」とだけ覚えておくと良いでしょう。

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