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家計が苦しくなって来ると、生命保険の見直しを考えられる方も多い事でしょう。
もちろん、それそのものは、改めて人生設計や家族の事を考える上でも非常に大切な事です。
経済的余裕があっても是非、定期的に実施して頂きたいと願わずにはいられませんね。

しかし、節約の一環としてとなると、要る要らないかだけでなく、月々の支払いをどこまで抑えられるかを重要視せざるを得ない部分は大きく、結果、高価な終身保険を解約し、安価な定期保険に乗り換えるという策を取られる方が目立ちます。

確かに、その時は解約返戻金も受け取れ、保険料も安くなるという事で、利口な方法だと言えるでしょう。
ですが、前後をしっかり見詰めて損得勘定をすると、節約どころか、浪費に繋がってしまうケースもしばしばで、特に予定利率の良い貯蓄性の高い保険を途中で潰すのは実にもったいない話です。

本当に解約しても大丈夫!?

さらに、もっと問題なのは、加齢による保険料のアップで、若い頃に入った終身と比較すると、掛け捨ての定期にしても、大して減額されないという事も十分考えられるでしょう。

そして、何より怖いのは、高血圧や糖尿病などの兆候があったりすると、新しい保険に入れなくなるかも知れないという事です。
これは、転換でも、切り替えでも、乗り換えでも同様です、

いずれも全くの新規契約となりますから、新たに健康状態や就労状況等の審査が実施されます。
結果、通らなければ無保険に陥ってしまうという事です。

また、がん保険の場合ですと、契約成立後も実際の責任開始日まで最低3ヶ月は効力を持ちません。
そのため、その間に健康診断などで発覚すれば、サポートを受けられないどころか、無効となってしまうのです。

こうした事を考えると、解約はもちろん、思い付きに近いような形での転換や乗り換えは、時と場合によっては0か100かという選択肢になると言っても過言ではないでしょう。

月額を抑える工夫

だけど、保険を見直すというのは元々、そういうものじゃないの?
とおっしゃる方もおられます。
確かに、先のような方法が主流の昨今、そういう思い込みをされる方が多いのも納得できるところではあります。

けれど、実際には、既存の保険をベースに、特約を追加したり削減したりする事により、月額を抑えたり、保障を充実させる事も十分可能なのです。

そもそも生命保険の基本というのは死亡保障で、終身型であると言っても過言ではないでしょう。
でも、私の生保は、入院すれば日額1万円の給付金がもらえるし、手術をすればプラス20万円、それも癌なら倍増するわよと自慢げに話される方も大勢いらっしゃいます。

しかし、それらは全て特約であって、個別に保証料を取られているのです。
つまり、メインとなる死亡保険に付帯するオプションサービスというやつですね。

よって、その数が保険料を決めると言っても言い過ぎではありません。
ですので、それら全てが本当に必要なものなのかどうなのかをチェックし、検討する事で、既存の生命保険を安価にする事は容易にできるものと思われます。

これは生命保険に限った事ではなく、自動車保険などでも同じで、愛車を運転している時のみ面倒見てくれるはずなのに、自転車で外出し、転倒して骨折した時の治療費や歩行者にぶつかって怪我をさせてしまった時の賠償も賄ってくれた。
なんていい保険なんでしょうと喜ばれる方がおられますが、それは損保会社の気前がいいのではなく、契約者である自分の気前がいいだけの話!

要するに、自転車特約や個人賠償責任特約といったオプションを優良で付けているから給付金が支払われたというだけで、シンプルな自賠責なら恐らく、知らん顔されていた事でしょう。

という事で、生命保険も同様に、実に様々な特約があり、それこそ、必要な自体に遭遇しない限り気が付かないものも少なくありません。
つまり、一生使わずにお金だけ払っておしまいというものもいろいろあるという事です。

主契約に付帯させている保障の見直し

しかも、これは必要だと思っても、その内容をきちんと見てみると、思いのほか使えないでしょうというものも結構紛れ込んでいます。
例えば、通院特約などは、入院の後の検診やリハビリのみ対応で、最初から通いで治療するというような時には何の役にも立ちません。

また、三大疾病と言われるものでも、全ての心疾患や脳疾患に対して給付される訳ではなく、心筋梗塞など、ごくごく限られた病気に対してのみだったりもするのです。

ちなみに、主な生保の特約としては、入院・通院・手術・三大疾病など有名なところから、近頃では人気と知名度を上げて来た休業補償や収入保障、先進医療対応。
あるいは、婦人病を手厚くという女性特約もありますし、一時的に保険金の額を増やせる定期保険もあります。

他に、自然災害や事故で死亡した時には、保険金が増額される災害特約、これなんかも、何となく納得させられて付けさせられている特約の代表格ですね。

そしてもう一つ、生存していても、高度障害を追った時には、死亡保障と同額のお金が受け取れるから安心ですなどと、住宅ローンを組む際の団体信用生命保険などでも謳われていますが、それもやっぱり特約で、別料金扱いなのです。

という事で、恐らく皆さん、聞けば、なるほどあるあると思われるものばかりでしょう。
ですが、いずれも、主契約に付帯させるもので、これら単体での販売をしないのが大きな特徴。

結果、これもひっくるめて、多くの方は生命保険だと勘違いされてしまう訳です。
されど、どれもこれも特約ですから、自由自在に中途付加したり、取り外したり出来ます。

年末調整や確定申告と税金対策

確かに、昔はこうした怪我や病気に対する保障は、終身に付帯させるのが一般的で、個別に契約するものではありませんでした。
けれど、今は違います。
外資系や損保系を中心に、がん保険のような医療保険のみを単体の商品として販売するのが当たり前になっていて、実際、会社などで入っておられる方も珍しくはないでしょう。

だとすると、あっちでも癌保障、こっちでも癌保障と重複して加入している事となり、もし本当に発症すれば、ダブルで儲かりますが、他の病気や怪我で他界する事になれば、ダブルで損金を出す事にもなりかねません。
ですので、今一度、手持ちの生保の特約部分を見直す事は大切なのです。

また、単体の保険は、おまけの特約保険保障より手厚く、あれもこれもと細かい給付金が支払われるケースが目立ちます。
やはりそれぞれに特化した商品であるという強みは否めないのです。

加えて、税制改正後の今は、医療保険は医療保険で、個人年金保険は個人年金保険で新規加入する事により、年末調整や確定申告で受けられる生命保険料控除の枠が広がります。

何故なら、これらは一般生命保険ではなく、介護・医療保険や個人年金保険として別枠で控除されるからです。
そう、税金対策も見直せるかも知れないという事ですね。

さらに、最も気を付けないといけないのは、こうした特約が、先のように一時的に保障が充実させられるというような口実から定期で付帯している事です。

そうなると、保険期間は大抵10年から15年で更新という事になるのですが、その時、必ず保険料が上がります。
何故なら、契約者の更新時の年齢で再計算されるからです。

その代わりに、何の審査もなく、自動更新されますから、安心&楽ちんというメリットはありますが、要らなくなってもくっついたままで、おまけに、要る時よりも高額になっているという事も考えられるでしょう。
そうなると、これほど無駄な事はありません。

ですので、更新しないのであれば、早めにはずさなければいけません。
そんなこんなを含め、解約や乗り換えを考える前に、まずは特約部分をじっっくり見つめ、必要か不要かと家族みんなで話合いながら仕分けしてみられる事をお勧めします。

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