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年末調整や確定申告で受けられる生命保険の税金控除!
平成22年度税制改革で条件が変わり、それまでの上限5万円から4万円に引き下げられてしまいました。
ところが、現実には、その最高額は引き上げられたというのです。
この矛盾はいったいどこから発生したものなのでしょうか?

検証してみると、そのからくりは、区分分けに潜んでいるではありませんか?
実は、以前は一般生命保険と個人年金保険の2区分しかなく、それぞれ最高5万円という事で、合計した上限が10万円だったのですが、新たな法令では、3区分に分けられ、それぞれが4万円という事で、トータルすると12万円になるという仕組みだったのです。

一般生命保険料・個人年金保険料・介護医療保険料の3区分

では、新制度における区分分けはと言うと、「一般生命保険料」・「個人年金保険料」・「介護医療保険料」の3区分で、最後の医療介護が新たに加えられたという訳です。

そして、ここには、がん保険のような専門の医療保険や介護保険が該当します。
従来は一般生命保険に一括されていたものだけに、これは有り難いと思われる方も多い事でしょう。

あれもこれもとひとまとめで計算すると、あっと言う間に5万円を突破してしまいますが、医療保障の部分をそこから抜き、別途新たに精算できるのです。

すると、それぞれで4万円ずつの控除が受けられる可能性は低くなく、合計8万円となります。
仮に、年金保険の方が5万円から4万円に1万円減ったとしても、12万円で2万円の儲けになるという訳ですね。

新制度が適用されるのは平成24年1月1日以降に契約した保険のみ

ただし、これには大きな落とし穴があって、まず、新制度の形態で申請できるのは、平成24年1月1日以降に契約した保険のみ!
それ以前に加入したものについては、旧制度のままですから、複数の医療保険や介護保険があっても、何の効力も持たない事になります。
その代わりに、一括で上限を5万円とする一般生命保険料控除が受けられるという事で、何ともややこしくて仕方がありません。

とは言っても、平成23年12月31日以後、一度も手持ちの保険をいじっていないという方は、最高額5万円のままだが、一般生保と個人年金の2つしか申告出来ないと覚えておかれるといいでしょう。
つまり、何も代わらないという事で、実際には、案外易しい話です。

また、平成24年1月1日より後に入った保険については、新制度で申請すればOK!
それぞれの最高額4万円という事で、こちらも至って簡単な話です。

新旧両方を所持している場合はどうなる?

ただ、問題は、古い保険と新しい保険の両方を所持している場合や既存の保険を見直し、部分的に契約内容を変更したり、保障を追加したりという事があった場合です。

まず、新旧それぞれに該当するものがあるケースから見て行きましょう。

先述の通り、この2つをまとめて計算する事はできません。
ですので、先にそれぞれの申請額を弾き出し、その上で、どちらか一方もしくは併用という形で申告します。

例えば、新制度に該当する部分が4万円分、旧制度に該当する部分が5万円分あったとしましょう。
最も容易なのは、旧制度を使って手続きする方法です。

実際問題、この場合だと、どちらを使っても、この枠だけで見れば、条件は同じで、どちらか一方、好きな方を取り、もう片方は綺麗に捨てればいいだけなのですが、仮に、それぞれの額が上限に達していなかった場合には、新旧併用という形式を取らなければなりません。

もし、ともに3万円ずつだと、それぞれで申告します。
ただし、その合計額の上限が4万円と定められているため、残念ながら、それ以上は意味がないという事になってしまいそうです。

既存の保険を見直した場合は?

ならば、平成24年以後に見直し、既存の終身保険に最新の医療保険をプラスしたとすればどうなるのか?

こうなると、医療の部分は切り離して計算できますから、話は大きく変わって来ます。
例えば、旧契約の終身で5万円あって、別途、新契約の先進医療等で4万円あれば、それぞれに申告でき、合計9万円となるのです。

とは言え、個人年金や医療保険があれば、とにかくそのトータルで12万円までですから、もしここで5万円枠をいっぱいまで使っても、同じく年金枠で5万円使えば、医療枠は2万円が限界となり、4万円分あっても、やはり意味を持たない事になるでしょう。

ですので、必ず全体の最高額を組み合わせればいいというものでもないのです。

ちなみに、見直しによって、完全に新しい保険に切り替えた場合や定期保険の更新があった場合については、無条件に新制度が適応され、やはりそれぞれの上限が4万円となります。
ですので、少しでも損をしないように、念入りに精算する事が大切になるでしょう。

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