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生命保険が加齢とともに値上がりする理由はただ一つ、発病や死亡のリスクが高まるからに他なりません。

また、既往症や障害を持っている人の加入が困難なのも、他の契約者との公平性を保つためだと言われていますが、今がとりあえず健康なら本当に全て、平等なのでしょうか?

少なくとも、持病がないから、その後も一生大病をしないとは限っておらず、それどころか私たち人間の体は消耗品ですから、年を重ねると、心身の至る所に支障を来すのは致し方のないところで、今後、何かしらの疾患を発症すると思っておいた方が無難なくらいでしょう。

発病や死亡のリスク

そこで、世の中には、毎日適度に運動し、良質な休養を取り、食事は栄養バランスの取れた薄味の献立を腹八分目にという具合に、常日頃から健康維持に気を付け、元気で長生きを目指しておられる方も大勢いらっしゃいます。

しかし、その一方で、好き勝手に暴飲暴食や不摂生な生活をし、“俺は、いつ死んでもいいんだ~!”と笑っている人も少なくないのが現実です。

これで単純に、持病がない訳だから発病や死亡のリスクは同じ!=保険料も同じというのは、何とも理不尽な話であるという他ありませんよね。

実際、自動車保険においては、過去の実績による等級制度というのを導入していて、安全運転に努める事により、保険料は軽減できます。
けれど、反対に、何度も事故を起こし、その都度、保険で処理していれば、割増しになるというシステムで、この事故歴が生保でいう病歴みたいなものです。

けれど、自動車保険の場合は、原則として、免許取得をし、さらに愛車を購入して初めて入るものですから、多くの契約者は、事故歴なしでやって来る訳です。

そうなると、最初はみんな無事故の優良ドライバーという事で、本当に安全なのかどうかも分からない代わり、実は危険なのかも分かりません。そこで、標準レベルからスタートし、その後の態度いかにで、保険料を決めようという事になっているのです。

しかし、そんな自動車保険においても、今はゴールド免許を持っていたり、走行距離が少ないドライバーに対しては、更に保険料を割り引くシステムを導入しています。こういうサービスがあれば、節約の感覚で、楽しみながら安全運転に勤められるというものでしょう。

健康体割引や元気割引

では、生命保険はどうでしょうか?
実際問題、生保の場合は、長年生きて来て、散々病気や怪我をして来た人もいますから、ある程度の危険性は見て取れます。

また、職業からもリスクを察知できるという事で、そういう人は受け入れないか、保険料を上げたり、保障額を下げる事によって、他の人との公平性を保とうというのが、長年用いられて来た業界の作戦だった訳です。

しかし、これは警察と同じで、事後報告で将来を判断するという、手堅い方法ではありますが、下手をすれば、後手に回ってしまい、後々多大なる損害を被る非常に危ない方法でもあります。

そう、これこそが、それ以上ないハイリスクな選別法だったのです。

それで公平性を保つというのは、よく考えてみれば、何とも滑稽な言い分ですよね。
そこで、保険会社は次なる策を打ち出しました。
それが、優良体割引なるものです。

もともと生保というのは、人体にお金を賭けるようなものですから、優良なる身体には、発病や早期死亡の可能性が低いものと見なし、保険料を割り引きしようというサービスです。

早い話、年齢と病歴だけではない、更なるリスク細分型を導入したようなもので、保険会社によって、“健康体割引”や“健康割引”、あるいは“元気割引”などと称するところもあります。

ただし、厳密に言うと、優良体割引と健康割引や元気割引は異なり、後者はいずれも、身長と体重のバランスが良く、血圧なども正常という、正に医師も認めた健康体に対する割引です。

非喫煙者割引とコチニン検査

これに、タバコを吸わない事による健康増進が見られる人に対する非喫煙者割引を加えたものが前者で、最も保険料が安くなるスーパー割引タイプという事になります。

それでは、一体全体どうすれば、この最安値に持ち込めるのか?

それはまず、一定期間タバコを吸っていない事により、非喫煙者割引対象者に該当するとなれば、その時点で、2割から3割の減額をゲット出来るでしょう。

ちなみに一定期間がどのくらいかは、保険会社によって異なりますが、通常は1年以上です。
まれに2年以上というところもあるにはありますが、そうなると、基準が厳しい分、割引率も高くなるため、もともと喫煙経験のない方はもちろん、早期に禁煙し、ずっと頑張って来られた方などは、そういう会社や商品を選ばれると、努力が報われるというものですね。

尚、この割引を使うに当たっては、必ず保険会社の外交員や代理店を通した契約で、コチニン検査と呼ばれるテストを受けなければなりません。

とは言っても、綿棒なようなテスト危惧をお口にいれ、ちょこちょこっと唾液を含ませるだけの驚くほど簡単な検査です。

それでも、専門機関で付着した唾液を調べれば、前回、いつ頃タバコを吸ったかが分かるというのですから、素晴らしいと言えば素晴らしく、恐ろしいと言えば恐ろしいものです。

ただ、仮に陽性反応が出ても、非喫煙者割引が使えなくなるというだけで、ペナルティーが与えられるとか、保険加入そのものが出来なくなるという事は一切ありません。

それに、万が一ここでしくじっても、健康体割引の方が使えるかも知れないという事で、保険料を値切るチャンスはまだまだ残されています。

月々の保険料が大幅に安くなる

この健康体割引というのは、主に体格と血圧から発病のリスクを見極めようというもので、やはり生保会社によって基準は異なるものの、一定の年齢枠ごとに最低血圧と最高血圧を定め、そこに「体重÷(身長×身長)」の計算式で弾き出された「BMI値」と呼ばれる肥満度を示す数字を照らし合わせて判断するところが最も多いようです。

そのため、肥満は元々通常の生命保険加入においてもNGで、あまりにも度が過ぎたおデブさんは、保険加入できないと言われるくらいですが、この元気割引のような制度を活用するには、痩せすぎも難しいと言えるでしょう。

そして、非喫煙者で且つ、健康体となれば優良体とされ、最高の割引率となる訳ですが、どちらかだけでも該当すれば、月々の保険料は大幅に安くなり、それが何年・何十年と続くのですから、これは相当大きいものと思われます。

ということで、これで初めて本当の公平性が保てるというものでしょう。
残念ながら、まだ今のところ、こうした優良体割引を採用している保険会社は、外資系や損保系が主流で、国内系大手ではお目に掛かれませんが、やがてはそれが当たり前の時代になって頂きたいと願わずにはいられませんね。

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