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自動車保険には、対人無制限とか対物無制限というのが、基本補償として必ず設定されています。
これを誤解する方が多いんですね。
この場合の無制限とは、際限なく保険金を請求できるものだと誤解して、よく交通事故ではトラブルや訴訟問題になっています。

損保会社のいう無制限とは、自由に設定できるという意味であり、その根拠は必ず実費です。
つまり、実際に怪我の治療でかかった費用、通院や入院日数と必要な最低限の雑費と交通費、そして休業した際のできる限り直近の収入に対する基本給の補償です。

この場合も休業とは、治療期間と同義です。
つまり、交通事故でその賠償金でお金持ちになったということは、現実には皆無です。
慰謝料も、こうした実費から日数計算され、しかも過去の「現実に保険金が支払われた事例」に基づいて、所定の金額が支払われます。

基準は原状回復

対人でさえ実費が基準になっている以上、対物はより厳格に審査されます。
それは、あくまでも原状回復ということであるからです。

つまり、既に乗り回した車を、足回りを修理するだけではなく、外装もついでに直して、なんなら新車を要求可能ということは絶対ありません。
これには、故障も含まれているため、事故に直接関連のない破損に関しては、損保会社は絶対に応じることがないのです。

例えば、全損事故の場合は、販売当時の新車価格を賠償金額に充てることはないのです。
その場合の対物無制限とは、保険期間中の経年減価を考慮しているからです。

それを除外し、新価で補償を受けるには、車両価額協定保険特約などが対応します。
つまり、別の補償となっているのです。
しかもこれは、自分の保険である車両保険から利用する事になります。

全損の場合の対応策

全損諸費用特約などの名称で、盗難や車両事故で全損となった場合に、自分の車に自分の車両保険を使う場合、こうした特約は有効に使えます。

盗難や全損で自分の車を失うリスクを、保険でカバーするのがこの特約です。この特約は代理店型損保会社で、特にメガ損保と呼ばれる、あいおいニッセイ同和損保などが、自動付帯で対応させています。

全損諸費用特約と対物超過特約の違い

簡単に言えば、全損諸費用特約は車両保険の拡張であり、自分で使える保険です。
これに対して対物超過特約とは、交通事故で損害を与えた対物賠償で相手が使える保険ということになります。

対物超過特約の注意点は、新価ではない点です。
これを知らない場合はトラブルになるので注意が必要です。

新価とは販売した年の価格相当になりますが、時価とは新車で購入できる価格から、使用経過や経年年数に応じた消耗分を差し引いた価格になります。
つまり、端的にいって同じ走行距離数の中古車価格と同じです。

つまり、全損の場合でも必ず車検証に記載のある走行距離と、車検登録日からの日数が必ず考慮されます。
仮に、対物超過特約が無制限でも、損保は実費での計算が基本なので、新車相当ということはないのです。

利用すればいずれも等級が下がる

原則として、自動車保険の決まりは保険金請求が発生したら、等級は満期以降の契約では必ず等級が下がるということです。
交通事故では3等級ダウンし、事故率が上がり、同じ等級でも保険料は事故を起こしたほうが高く設定されます。

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