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利用した場合に等級はどうなる!?自動車保険と車両保険の必要性と免責金額
自動車保険の等級制度改定によって、ノーカウント事故以外は、等級ダウンと保険料の割増しは必ず行われるようになりました。
例えば16等級の人が交通事故を起こして、任意保険を使うと、次の保険更新時に3等級ダウンするだけでなく、事故率が加味されて、3等級下の13等級の無事故割引率よりも、割引きは低く抑えられます。
ただし、誤解してはいけないのは、自動車保険の等級と賠償責任における、民法上の過失とは関係ありません。
事故を起こした人の補償額が減るなどといった心配はなく、要は保険会社の契約者へのペナルティなんですね。
ペナルティによる保険料アップ
このペナルティは、保険を利用するかしないかで分かれています。
仮に交通事故で、全く自動車保険を使わずに自費で解決した場合、保険会社には何の損害も義務も生じないので、等級はそのままになり、司法上は事故は事故ですが、保険会社から見れば無事故と同じです。
基準は保険を使うかどうかであり、交通事故においてはまず真っ先に行うのは、怪我の対処と警察への報告です。
この等級ダウン事故は、自損事故においても適用されます。
例えば飛び石によりフロントガラスが傷がついて、その修理に車両保険を利用した場合、契約者には過失は何もありませんが、保険を利用した時点で、契約満了後の保険更新時には1等級下がります。
等級制度とは、損害保険会社の契約者への差別化ですから、保険金を使う人には保険料を引き上げて、使わない人には割り引くという仕組みなんですね。
こうして考えて見ると、敢えていうなら、保険を使わない契約者は、損害保険会社にとっては都合が良い人とも言えますね。
1等級ダウンで済むケース
車両保険とは、言い換えれば契約者自身が使える損害保険です。
損害保険とは、自分が被る万が一の被害に対して保険をかけておくのと同じことですので、車両保険を使えるのは基本的に、自動車保険契約者だけです。
しかし、この保険も自損事故で利用するとなると、扱いは普通の交通事故で保険を使うのと同じです。
やはり3等級下がるんですね。
確かに10数万の車両修理費用を補填する意味では便利ですが、3等級ダウンと言うおまけ付きでは、無事故の場合翌年1等級上がるところを、3等級さがるわけで、元の等級に戻すには、4年かかる計算になります。
車両保険を手厚くしたいといった場合は、どんなケースがあるでしょうか?
それは、青空駐車などで、自分の家の敷地以外で多数の他人の車が駐車してある場合など、イタズラ、盗難や台風被害などを想定した場合です。
この場合、修理費用を自動車保険でカバーしても、1等級ダウンで済みます。
車両保険が本当に必要なのは、自分ではない外的要因で車が損傷した場合だといえます。
契約前に必ず確認したいこと
車両保険とは、契約者自身が使える自動車保険ですが、保険会社側は支払う理由が賠償責任が無いため、利用した場合は等級ダウンとともに、ペナルティに該当する免責金の支払いが義務となっています。
損保会社の中には、この免責金を自由に設定できるところがありますが、当然、免責金は自己負担額なのでこの割合を大幅に引き上げると、あまり自動車保険に加入する意味は無くなります。
ここが、自動車保険は保険料だけで考えては行けない部分です。自己負担額を大きくすればするほど、保険料は安くはなりますが、それだけ、肝心な保険を使いたい場面では、無意味な車両保険となる場合があるからです。
車両保険の意味は1等級ダウンの場合に、できるだけ保険でカバーできないと、あまり役には立ちません。
尚この免責金に関しては、損保会社のホームページでは非常にわかりにくい場合があるので、問い合わせるか、契約前に確認しておくことをおすすめします。