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介護職員初任者研修と実務者研修の違いとは
介護職員初任者研修資格については、仕事に就かなくても家族の介護にも生かせるので気軽に取得を考えてみて?はとご紹介したのですが、介護業界への転職を決意し、当初から長く介護職に従事しようと考えているという方には、初任者研修だけでなく介護職員実務者研修を受講するという選択肢もあります。
介護職員実務者研修とは、以前の介護職員基礎研修・ホームヘルパー1級とほぼ同等の資格となっていて、基本的な介護能力に加えて医療的ケアの知識や技能も習得している人材を育成する目的で2013年度から新たにスタートしたカリキュラムとなっています。
そしてこの実務者研修資格は、2017年1月から介護福祉士の受験資格要件となることが重要なポイントとなります。
最低6ヶ月間の研修期間が必須
実務者研修資格は厚生労働省の定めにより最低6か月間の研修期間が必須となっています。
このため無資格者が資格取得をする場合には、6か月間をかけて勉強をするようなスケジュールを組むことができます。
一方で、初任者研修や介護者基礎研修などの何らかの資格を有している方が実務者研修を履修しようとした場合には、講習免除がある分、研修そのものが早く終わることになります。
しかし、いくら6か月よりも早くすべてのカリキュラムの履修が修了した場合でも、実際に修了証が交付されて手元に届くのは、研修開始日から6か月後になってしまいます。
同じ介護系の仕事とはいえ、働きながら実務者研修を受講するとなると勤務の調整も大変でしょうし、すぐに修了証をもらえると思っていたのにそれがもらえないとなると、資格試験や昇給のタイミングに支障をきたすこともあるかもしれません。
そのため、無資格の状態で時間や資金にゆとりがある場合には、最初から実務者研修を受講しておく方が、後々楽なのではないかと思います。
介護職員実務者研修は、すでに介護施設などで仕事をしている方のキャリアアップの資格という位置付けではあるのですが、無資格者でも受講可能で、修了後は事業所での配置が必須とされるサービス提供責任者や施設長候補にも挙がるため、高収入が見込める資格となっています。
具体的にはどこが違うの?
そんな実務者研修ですが、初任者研修との違いを見てみると、初任者研修のカリキュラムが130時間であるのに対して実務者研修は450時間と講習時間が倍以上も長いことが挙げられます。
また、それに加えて初任者研修の資格で行える医療的ケアや介助はヘルパーに準じたもののみであるのに対し、実務者研修だと医師による+16時間の医療的ケアの授業や実技講習のカリキュラムがあるため、喀痰吸引や経管栄養接続の医療的ケアが可能となるということも特徴的な違いとなっています。
さらに他にも、資格の取得方法の違いとして初任者研修の大きな関門とされている修了試験が実務者研修にはないということも大きなポイントと言えると思います。
メリットとデメリット
カリキュラムの総時間が増えることで、相対的に初任者研修講座よりも受講料が高くなってしまうというデメリットもあるのですが、初任者研修を始めとするその他の資格を持っている場合には免除されるカリキュラムがあるため、そうなると受講費用もそれに伴って減額されるシステムとなっています。
しかし、スクールによっては初任者研修取得後に実務者研修を取得するよりも、最初から実務者研修を受けた方が最終的な受講費用が安く抑えることができるという所もあるので、「実務者研修を受けてみても良いかも」と考えている方は、初任者研修+実務者研修を受講する場合の受講費用と、実務者研修のみの費用を比較検討してからどちらにするか決めるという選択肢もあるかと思います。
もちろん実務者研修も通信講座が選択できますし、スクーリングについては最短で2日~8日間のみの通学で取得可能というスクールもあるようなので、現在の自分の状況に合わせてより良い資格取得を検討されることをおすすめします。
介護職の資格を取得する際に通信講座やスクールを検討される方も多いのではないでしょうか。
複数の講座やスクールの資料を一括で請求し、それぞれのキャンペーン情報を含めた費用やカリキュラムなどを比較してみて、自分に合ったものをじっくり選びましょう。