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死亡保険の特約と医療保険の契約!生命保険の入院保障を考える
生命保険にさえ入っていれば、何日入院しても安心!
日額5,000円や1万円が出ると思っておられる方も多いようですが、それはとんでもない間違いだと知っておく事は大切でしょう。
確かに、入院給付金の相場は1日5,000円から1万円で、今は初日からカウントされるのが当たり前にはなっています。
が、しかし、まず、生保というのは基本的に死亡保障ですから、入院給付金を受け取るためには、必ず医療保障に加入していなければ話になりません。
これについては、メインの死亡保険に特約として入院保障を付帯させるという形と、全く別に単体で医療保険を契約するという2つのパターンが存在します。
税法が改正され、年末調整や確定申告で申告出来る所得税の生命保険料控除の枠に、新たに「介護・医療保険」という区分が追加された昨今では、一般生命保険に加算されてしまう入院特約より、この枠で控除が受けられるがん保険や入院保険に入った方がお得だという事で、他社の商品を選ばれる方も随分増えましたね。
日額や支払い限度日数は契約コースによって異なる
けれど、この入院保障には、日額の他、支払い限度日数というのがあって、何日までサポートされるのかは、契約時にどのコースを選択するかで決まってしまうのです。
従って、正しく初めが肝心!
後々困らないようにするためには、よくよく考えて加入しなければなりません。
ちなみに、現在市販されているものとして最も多いのは60日と120日で、このどちらかを選択するのがオーソドックスだと見ていいでしょう。
当然、日数が少なくなればなるほど、月額は安くなりますが、長期入院に対する不安は高くなるものと予測されます。
とは言え、近頃は医学の進歩により、癌でも日帰り手術がバンバン実施されているような時代です。
3ヶ月を超える在院生活を送る人がどれだけいるのかと見てみると、生命保険文化センターの調査によると、ほとんどいないという結果です。
病名や年齢にもよりますが、今時の入院日数は、なんと平均で30日から50日!
そう、60日も保障があれば、十分であるという事になるのです。
さらに、この計算は、診断が下されて以降という事で、検査入院は含まれませんし、出産や人間ドックのような治療を目的としないものも含まれません。
となると、確かに、病院生活が1年以上続く疾患もあるにはありますが、それらは統合失調症や認知症、あるいはアルツハイマー病と言った、いわゆる精神疾患や神経疾患で、ここまで来ると、はっきり言って、医療保障のサポートがなくても、福祉サービスがあれこれ適用され、ほとんど経費が掛からない事になるでしょう。
高価な長期医療保障は必要ない!?
しかも、この限度日数というのは、あくまでも1入院につきというもので、一生これだけしか面倒見てもらえないというものではない事も、大型のプランがもったいないのではないかと思える要素の一つです。
何しろ、前回の退院日から180日、即ち半年以上経過していれば、また1日からカウントされ、60日や120日まで支払いされるのです。
ならば、何もあえて高価な長期医療保障に加入して備える必要がないものとも見られそうです。
ただし、この1入院とは、同じ病気や怪我でと定められていて、これが良い方に働く事もあれば、悪い方に働く事もあります。
例えば、癌の場合ですと、手術後に一旦退院し、その後、1ヶ月ごとに1週間程度、抗がん剤治療のためのショートステイを繰り返す事がありますよね。
そうすると、最初の手術のための入院初日からカウントが始まり、抗がん剤投与の最終日までを合算して1入院とするのです。
ですから、初めに30日病院に入り、その後、7日間の入院を5回繰り返したとすると、トータルで65日となり、上限60日のコースでは最後まで給付金を受け取れない事になってしまいます。
また、途中で転院した場合でも、同じ病気や怪我の治療の一環であれば、複数の医療機関の在院日数を合算し、請求する事ができますから、そんなこんなを考えると、確かに、120日コースの方が余裕があって安心である事は間違いなさそうです。
しかし、仮に骨折して30日病院に入った後で、ほどなく心筋梗塞などで倒れ、50日ばかり再入院したとしましょう
そして、何だかんだと言いながらも、半年のうちに80日間も病院生活を送る羽目になってしまいました。
それでも、こういう場合ですと、それぞれに対して診断書を取り、手続きさえすれば、当たり前のように80日分のサポートが受けられるのです。
何故なら、これは全く違う病気と怪我であるため、1入院とはならず、それこそ、先は先、後は後!
180日という免責期間を必要としない上、再び1日目からカウントされるからなんですね。
1入院の上限の他に期間中の通算日数にも限度なしの商品
さらに、少々飛躍した考え方としては、長期入院を余儀なくされたり、入退院を繰り返す事によって入院日数が増えるのは先述の通り、やはり精神や神経を患った場合が最も多く、その次が癌です。
ならばいっその事、がん保険に加入する事で、足らずを補うというのも利口な手であると言えるでしょう。
というのも、1入院の期間はもちろん、通算日数についても、限度を求めないという商品が沢山あるからです。
そう、特約として付帯させる医療保障や単体の医療保険であっても、通常は1入院の上限以外にもう一つ、保険期間中の通算日数というのが定められていて、これが仮に700日であれば、それ以上は給付金が支払われません。
ですので、特に終身型の場合は、若いうちに大きな病気や怪我をしてしまうと、年を取って頻繁に入退院を繰り返すようになった時、最後まで使えないという事が珍しくないのです。
そこで、そうした事も踏まえ、メインとなる保険に、そういう制限を持たない安価な特定疾患の専用保険みたいなのを組み合わせるというのも賢い手だという事です。
あるいは、近頃の医療事情を考慮し、退院後の通いでの治療やリハビリに活用できる通院保障を充実させるのも大事になりそうです。
さらに、外泊を頻繁に繰り返していたり、何日も家で過ごしていると、その分を差し引かれる事もあって、実際、入院給付金の請求を巡るトラブルはとても多いという事も把握しておきたいところですね。
ですので、医療保険を選ばれる際には、そういう細かい約款もチェックし、最終的に手頃な限度日数を選択される事が大切でしょう。