記事の詳細

生命保険会社の破綻を予測できるかも知れないソルベンシー・マージン比率

生命保険を選ぶ際の比較検討項目というのはいくつもあって、やっぱり一番大事なのは保障内容と掛け金のバランスでしょう。
いくら中身が充実していて、多額の保険金や給付金が受け取れた方がいいには決ってるとは言え、そのためにはそれなりの保険料を払込まなければなりません。その支払いが出来なければ、話にはならないのです。

ソルベンシー・マージン比率と予定利率

narrator

そこで、身の丈に応じたプランをという事になる訳ですが、実際のところそうした商品は必ずと言っていいほど、どこの会社にでも一つ二つはあるもので、結果的にはその中から選ぶに当たり、また頭を悩ませなければならないという事になるのです。

という事で、次に目安としたいのが「ソルベンシー・マージン比率」と呼ばれる数字と、「予定利率」と呼ばれる数字です。
この2つは、いずれもこれから契約しようとしている保険の将来性を見据える上では絶対に見逃せないものなのですが、なぜかほとんどの方が予定利率はまだしも、ソルベンシー・マージン比率についてはほとんど気にされないのではないでしょうか。

しかし生保というのは、その多くが何十年も継続して掛けてこそ値打ちの出るものな訳で、いくら安くても加入してすぐに潰れたのでは、これまた話にならないでしょう。

その点、こちらのソルベンシー・マージン比率が200以上あれば、取り敢えず東日本大震災クラスの災害に見舞われ、多数の死者が出ても何とかなるというもの!
というのも、この数字は現時点で各社が抱える加入者数を100パーセントとし、そのうちの何パーセントまでを直ちに保障出来るかという数字で、それも対象者が死亡して保険金を支払うという前提で算出していますから、正しく生命保険会社の体力を示す値なのです。

そのため、それが200パーセントという事は、言い方は悪いですが、加入者全員が今すぐ亡くなったとしても、全てにお約束通りの給付金が払えるだけの責任準備金があるという事になります。
そして、その上でもまださらに同じだけの余力がある事になり、当座破綻する心配がないという事です。

事実、2011年3月に起こった東日本大震災においては、どこの保険会社も減額する事なく、契約に応じた保険金や給付金を支払いましたが、それでも1社とて倒産する事はありませんでした。

比率200%以上の保険会社なら安心なの?

という事で、国もこの比率200パーセントを保険会社の健全性の基準とし、下回ると即、それを理由に早期是正措置命令が金融庁から出される事になっています。
そうして、原因を追及した上で、速やかに経営改善に向けての対策を講じなければならないのです。
それでも、努力空しく、結果が出せず、ついに0パーセントに達してしまった場合には、業務停止命令が発せられ、あえなく破綻という事になる訳ですね。

とは言え、実際にはそこまで持ちこたえられる事例はなく、それどころか200を下回っていなくても、業務停止命令が出されたり、更生特例法が適用されているところは少なくありません。

これまでに日本において破綻した生命保険会社は7社!
そのうち、ソルベンシー・マージン比率200パーセントを切って潰れたのは、東邦生命と大正生命の2社だけで、第百生命と東京生命においては驚くべき事に、300パーセントを超えていたではありませんか!?

となると、例え200パーセント以上あっても決して安全圏内にあるという保障はないのではないかと思われるかも知れませんが、まさにその通りで、実はこの数字は破綻時期の前期末に出されたものであって、実際に倒産した時には既に大きく下がっていたものと思われます。
すなわち、やはり200パーセントギリギリか、それを若干上回るレベルでは、特に昨今の経済情勢を考えると油断は禁物という事になり、石橋を叩いて渡るのであれば、最低ラインを400と設定して比較検討するべきでしょう。

生命保険契約者保護機構の設立

narrator

それでも、選択肢は充分にあります。
何しろ我が国の多くの生命保険会社は、なんとソルベンシー・マージン比率600パーセントを超えていて、中には1000という恐るべし数字を掲げているところもあるのですから、まさによりどりみどりという感じです。

それも、お手頃価格で充実した商品ラインナップが売りの外資系や損保系の方が、老舗大手よりもはるかに高いところが多く、ベスト15位のうち、カタカナ生保と呼ばれる外資系と、ひらがな生保と呼ばれる損保系がそれぞれ5社ずつを占めています。
こうしたことからも分かるように、今や歴史ある会社だから安心という訳ではありません。

なお、生命保険会社の破綻事例と言えば、多くの方が日産生命を思い出されるかと思われますが、こちらが潰れた時にはまだ日本ではこのソルベンシー・マージン比率が導入されておらず、史上初となった生保会社の倒産という大事件を機に、我が国の保険業法は大きく改正されました。

この計算による比率を明らかにし、各社の責任準備金の積み立て状況がどうなっているのかを明確にする事が義務付けられたのもその一つですし、他にも生命保険契約者保護機構を設立し、破綻した会社の加入者を守れるように尽力する事としたのもその一つです。

予定利率の引き下げによる保険金の減額

ですが、やはり契約している保険会社が潰れて、加入者に事が優位に進む事はなかなかありません。
過去の事例を見ても、例え引受先が見付かったとしても、予定利率が引き下げられたりする可能性は高く、そうなれば終身保険の解約返戻金や保険金、あるいは個人年金保険や学資保険の満期金が減額するなど、特に貯蓄型と呼ばれる商品については要注意です。

そのため、もうすでに既存の生保がある方もまた、このソルベンシー・マージン比率のチェックは重要で、急激に下がるような事があれば、この先どうなるのかを考える事は必須になるでしょう。
そして、自らの保険金や年金を保護出来るように対策を練らなければなりません。
という事で、皆さんも是非一度、インターネット上などに公開されている最新の一覧をご覧になってみてはいかがでしょうか。

そして危ないと感じて見直しを検討される場合は、相談料無料のFPへの相談サービスがおすすめです。
現在加入中の保険の診断や、それぞれのライフスタイルに合ったプランの提案などを行ってもらえます。

⇒ ファイナンシャルプランナーの無料相談について詳しく見る

その他の無料相談サービスを下記にてご紹介しています。

口コミを投稿する


Submit your review
*必須項目です

関連記事

コメントは利用できません。

お問い合わせ

当サイトへのお問い合わせは
こちらからお願いいたします。

ブログ

ページ上部へ戻る