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注意したいのはこんなところ!アカウント型生命保険のメリット&デメリット
10年以上放置状態の生命保険について、担当者から見直しを進められる際、必ずと言っていいほど高確率で候補に挙げられるのが「アカウント型」と呼ばれる聞いた事のあるようなないような商品でしょう。
しかも、それらには、明治安田生命の出している「ライフアカウントL.A.」というように、すぐに分かる名前のものもあれば、住友生命の出している「ライブワン」というように、一見特徴が全く分からない商品名のものもあります。
ところが、その状態で安易に契約すると、必ず後で後悔する事になる確立が非常に高いものだけに、まずは何をさておいても、通常の終身保険や医療保険とどこがどう違うのかをしっかりと把握しておく事は必須なのです。
貯蓄形式の自由設計型保険(利率変動型積立終身保険)
そもそもこのアカウントというのは口座、即ちaccountの事で、銀行や郵便局の口座と同じように捕らえていただければ分かりやすいのではないでしょうか!?
手持ちの通帳を見ると、メインは普通預貯金ですが、後ろの方に定期預貯金の記帳ページがあって、どうしても一定期間大事に預けておきたいお金は、そこに入れると残せる確率がグンとアップする仕組みになっていますよね。
その一方で、普通預貯金の方からは、給与受け取りや公共料金の引き落とし、もちろんキャッシュカードで引き出して生活費に充てるなど、残高分は自由に出し入れして使う事が出来ます。
この原理を取り入れた生命保険、それこそがアカウント型保険で、時に“自由設計型保険”と称される事もありますが、正式には“利率変動型積立終身保険”と呼ばれるものです。
ですから、その名の通り、メインとなるのは普通預貯金に当たるアカウント部分。
そのため、支払ったお金は、基本的には保険の掛け金ではなく、単に口座に入り、それが積み立てられて行く、あくまでも貯蓄形式の仕組みなのです。
そうなると、電化製品を買い換えたいとか、家族旅行がしたいと思えば、そこから必要な額を引き出して資金に充てる事ができ、一見、これまでの生命保険とは異なり、とても便利に見えるかも知れませんね。
けれど、それでは怪我や病気で寝込んでも、死んでも、貯まった分だけのお金は返してもらえますが、何の保障もなく、生保の意味を成しません。
はっきり言って、わざわざ保険会社に預けずとも、近所の銀行や郵便局で事足りる話でしょう。
それをあえてなんとか生命というところの顧客になるのは、やはりもしもの時に困らないよう、それなりの給付金が受け取れるようにするために他ならないだろうと思われます。
死亡保障や入院・通院補償など特典をセットする
そこで、各社は何があってもサポートしますと言い、様々な特約を用意してくれていますから、私たち契約者は、その中から、必要だともうものをピックアップしてセットして行けばいいのです。
それが死亡保障や入院・通院保障、あるいは、がん保険や高度傷害保険などで、銀行の定期預金に当たる部分。
出来るだけ沢山加入しておけば確かに、何事もドーンと来いという気はしますね。
また、どの特約も、いつでも入りたい時に入れて、辞めたい時に辞められる上、家族構成の変化や子供の成長などに合わせ、保証額を増減する事により、自動的に保険料も上下させられますし、金銭的余裕のある時には、余分に入金し、その分で、別途手厚いサービスを受けられるようにすることもできます。
そう、あくまでも特約の内容と掛け金は、保証額を踏まえた上で、自分で決めればいいという何とも柔軟性の高い話!
つまり、極端な事を言えば、保険屋さんならではの保障を保障してもらいながらお金を貯められるという実に素晴らしいプランなのです。
10年~15年ごとの更新!掛け捨てだからお金は貯まらない?
けれど、実際には、この保障を受けるための特約は、全てが10年ないし15年ごとに更新の定期保険!
即ち掛け捨てで、そこに回したお金は、貯まるどころか、消費されて行ってしまいます。
具体的に説明すると、毎月1万円ずつ支払うと仮定し、それがそっくりそのままアカウントに積み立てられていれば、1年後には12万円、10年後には120万円溜まっているはずなのですが・・・。
そこに死亡保障2,000円、入院保障2,000円、がん保障2,000円と、3つも特約を付けてしまうと、その保険料6,000円を差し引かれた残額しか貯蓄されませんから、10年たっても、口座残高はたった48万円しかない事になってしまいます。
さらに、次回更新時は、よほど出ない限り、健康診断など一切不要の自動更新ですが、年齢が上がっている分だけ、保険料も上がります。
例えスタート時はオール2,000円でも、更新以降はオール3,000円となるような事もしばしばなのです。
実際、多くの方はやはり、保険会社に望むのは、貯蓄性よりも、保障という事で、ついついそれを重視するがために、いつまでたってもほとんど残高0に近い契約者さんも少なくないくらいです。
終身というのは名前だけ?払い込み終了後はどうなるの?
それでも、まあそれはそれで、いいとしましょう。
万が一の時には、十分元は取れます。
されど、問題は、払込期間満了後で、通常の終身保険であれば、支払って来た全額が残り、且つ、僅かでも利息も付いていますから、解約すれば、それなりの返戻金が返って来ますし、もちろん置いておけば、たんまりと死亡保障が受け取れます。
ならば、これも利率変動型積立終身保険というくらいなんだから、同じでしょうと思われる方が圧倒的多数なのですが、実は実は、ここが一番大きな落とし穴で、これぞ正しく名ばかりの終身!
実際には、払い込みが終了した時点で、新たに自社が誇る最新の保険にその貯まったお金で入れますよというだけの話なのです。
とは言われても、先にも書いた通り、口座の残高がどのくらいあるかが問題で、年齢を考えても、そうとう貯金がなければ、追加なしで加入する事が困難であるという難点も出て来ます。
結果、現実問題、そこまで辿り付けない人が驚くほど多いという事も知っておいていただきたい部分ですね。
こんな方には最適!比較的安く安心した保障が期待できる
おまけに、普通口座にお金が残ってさえいれば、保険料は落ちるため、今月はどうしても出費が多く、余裕がないという時は、一度くらい入金を見送っても全然平気という事になり、たまにピンチが来るような人にとっては、これも有り難いシステムなのですが、万年金欠とか、ルーズな性格の人がこれを知ると、たちまち厄介な事になってしまうでしょう。
という事で、現時点では、残念ながら、金銭管理がよほどしっかり出来ない人が安易に手を出すには、少々危険な商品であると言わざるを得ない部分は否めません。
しかし、当然の事ながら、これはこれで使い道の十分ある人も大勢います。
例えば、やがて親が亡くなれば、豪邸が手に入り、それを換金すれば、生活には困らないんだけれど、それまでは、何とか自分たちだけで生計を維持しなければならないというような方。
そういう今が一番大変という人なら、比較的安価にもしもの時の保障が得られ、安心して働けるという事になるでしょう。
最終的には相続したものの中から足らずを補い、一時払いの低解約金型終身保険に加入すればいいだけです。
それでも、月々1,000円ずつでも積み立て出来ていれば、10年で12万円!
やがて莫大な財産をくれる両親を連れて温泉旅行くらいは行けますし、地デジ化に伴って購入したテレビがそろそろ傷むという頃であれば、買い換えも容易なのではないかと思われますね。