記事の詳細
津波や大雨など自然災害による水没と自動車保険
自動車保険の中身をみると、おおまかに3つに分けることができます。
まず1つ目はは基本の賠償保険で、対人賠償、対物賠償など、自動車保険の核となる補償部分です。
厳密に言ってこれは、契約者が使える保険金ではなく、損害を与えた相手に対して、その人が使える保険と言ってもよいでしょう。
自賠責保険は、人に対してだけの賠償なので、自動車の賠償を含める場合は、必ず任意保険の加入をしておくべきです。
どんな種類があるの?加入しておきたい任意保険とは
2つ目は傷害保険です。
これは、特約などがそれに該当する、契約者自身とその家族や搭乗者などの人に対して使えるので、言い換えれば契約者が自分で自分の保険会社に請求できる保険になります。
実際、今でも単独で傷害保険を販売する損保会社は多いです。
歩行中に自動車事故にあった場合に補償される特約も、実際にはこの保険を使用して補償しています。
3つ目が、損害保険です。
賠償保険と異なるのは、これは自分自身や自分の財物にかけられる保険ということです。
例えば女性モデルが、自分の体の部位に保険をかけることが話題になったりしましたが、正にこれが損害保険の補償ということが言えます。
自動車保険では、主に財物に対しての補償がされますので、車両補償や車両保険といった場合は、この損害保険に該当します。
基本は、偶然のリスクで生じた損害をカバーするのが目的であり、賠償保険と大きく違うのは、損害額によって保険金が計算されるので、実損払い方式が採用されている点です。
今では、損害保険と賠償保険が同列で語られますが、賠償保険も、実際には慰謝料と呼ぶ場合でも、入院費用や治療費の実損で計算されるため、区別はなくなった経緯があるんですね。
交通事故も、被害者側から見れば偶発的な事故とも言えます。
賠償保険は、契約者以外の第3者に対する補償である点を留意しておくべきでしょう。
自然災害による損害は、車両保険で対応
上記の様に自分の財物が、自然災害など偶発的な事柄で被害を被った場合には、車両保険を使うことになります。
自動車保険の特徴の一つとして、他者を補償する場合は保険金上限を最大限、あるいは無制限とする場合が多いのですが、これは賠償責任というのものは、法的に決められているものなので、自動車保険に入らなくても、被害者から請求を受ければ原則、賠償を行わなければならないからです。
例えば、他人の財物を壊した場合、壊した相手に弁償させるかどうかは、被害者にその裁量があります。
反対に、自分が被害者である場合、相手がいない事故や損害に関しては、自分がその決定権を握っていますから、自動車保険で言えば、保険会社を利用するか、自費で補うかは自由です。
車両保険は損害保険であるため、台風や地震などの自然災害は、偶発的な事故として処理できます。
大雨や津波による水没も同様です。
免責金がない代わりに1等級下がる
しかし、保険料は、その大半が賠償責任のための担保ともいえるので、損害保険に関しては、一定の制限がかけれています。
加えて、保険会社には賠償を補う義務は生じないため、交通事故のような被害者と加害者が両方になるケースでは、賠償の分3等級ダウンのペナルティと、車両保険を使った場合の年積金とよばれる、契約者自己負担金が生じるようになっています。
また、自然災害が起こったからといって、無条件でどの車も被害が生じるわけではありませんから、やはり車両保険を利用するかどうかは、契約者の判断になります。
この場合、利用した場合は、免責金はない代わり、等級は1等級下げて、利用しない人と区別し、公平性をもたせているのです。