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賃貸物件を借りる側には、あまり関係ありませんが、賃貸物件のオーナーには切実な問題として、税金上の区分としての「減価償却」の問題があります。 
予備知識程度の理解でよいのですが、これは「新規購入したものには、経年劣化で一定期間を過ぎると、新価の価値を、法律の基準で分割し、その金額を割り引かなかればならない」とされています。 

減価償却と原状回復の関係

少々わかりにくいですが、例えば新築物件を購入した場合、10年経っても、20年経過しても新築と同じ価格では不公平になりますよね。 
従って、仮に100万円の額面なら、例えばの話、10分の1の10万円を1年で消費している考え、10年後には資産価値をゼロにという意味と同じです。

賃貸の場合は、この消費の部分が、経年劣化で、少なからずそこに住む賃借人が消費している事になります。
ところが、そこへ、新しく入居する人が、その経年劣化した状態で自分で清掃し、その費用を負担するとなればかなり不公平となりますよね?
だからここに、転居する際は、元いた住人がその原状回復費用を負担するといた暗黙のルールがあるわけです。
いわば、飛ぶ鳥跡を濁さずの考えですね。

エアコンなどは、最近の賃貸ではあらかじめ付いているのが、当然のようになってますから、故障の場合は速やかに入居している期間中でなければ、修理には応じる義務は大家や不動産会社には生じず、新しく入居した人から、故障の申告があった場合、契約書にある「原状回復の条項」によって、修理費一部負担を要求される可能性もあります。

契約書の効力がある以上、弁護士も無駄足に

国土交通省には、こうした「原状回復をめぐるガイドライン」が設けてあり、それによれば生活する上で、どうしても消耗する(法律用語では、損耗)と、故意と不注意、悪質でなければ入居者には修繕の負担義務はないとしています。 

しかしそれでは、一緒に決して住むことがない大家さんやオーナーは、入居者が出て行って至るところが壊れていたら、その費用は全室負担しなければならず、家賃もそのままでは経営破綻してしまうでしょう。

そのため、これを現在では「敷金」といった、原状回復費用の担保をあらかじめ入居者に支払ってもらい、明け渡しの際に、損害額を差し引いた金額が返金されます。
この時、損耗程度が通常の使用と認められれば、敷金を返すことになっています。 

この条項などは、契約書に明記してあるのが普通で、入居前に必ず説明を受けているはずです。

故意か、単なる生活消耗であるかは判断基準にならない

ほとんどは入居者と建物のオーナー、不動産会社との認識の違いです。
仮に訴訟を起こしても、故意であるか、生活消耗であるかは現状が証拠となり、破損が著しければ契約書の効力によって、根本的に弁護士の出る幕はありません。 

あるとすれば、新たに入居する際の設備不良の回復費用に関することで、今までそこに暮らしていた入居者はやはり原状回復の義務は、契約書に明記されている限り有効なのです。

設備は企業の備品と考えよう

賃貸物件では当たり前ですが、備え付けの家電や部屋の壁紙一枚でも、他人の私物です。 
賃貸契約上は、アパートもデザイナーズマンションも形態が異なるだけで丸々同じですから、自分の持ち物のように壁に穴を開け、扉の取っ手が壊れてもそのままに放置せず、オーナーや不動産会社に連絡し相談する必要があります。

賃貸物件は限りなく”間借り”です。 
会社の備品と同じものですから、大切に扱わないければなりません。

現在では、破損や煙草の汚れも含めた汚損に関しては、年会費や家賃に含まれる管理費などで補っているケースもあります。 
また、原状回復のために自分で出費し、任意で汚損を除去するのは構いませんが、物件の持ち主に相談なしで交換や新規部品交換などを勝手に行うと、逆に起訴の対象とされるケースもありますので注意が必要です。

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