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日本には、美しい習慣がいくつかありますが、最近では耳なれない「心づけ」なるものが、ある種、流行っているようです。 
しかしこれは、伝統的意味合いではなく、昔であれば、難儀な要求に応えてくれた、サービス提供側に対するチップと考えたほうが良いでしょう。  
本来は「祝儀」の意味が強いですし、日本では、正式な支払い以外に現金で渡す事自体を嫌う風潮が、格式ある場所では多いです。

基本的に、チップとは欧米では、ホテルマンでもルームサービスのボーイや、清掃の従業員などは、総じて収入自体がかなり低いために、宿泊客が気を使って、「感謝」の意を表すことで習慣化したものです。
従って、直接渡すものではなく、出かけるときに、食べかけたテーブルの食器の下に挟んでおくとか、さり気なくやるのが基本です。 
最近では多くのレストランやホテルも、かなり産業として効率化が図られているので、そうした慣習も薄くはなってきました。

多くのサービスはお礼が含まれた金額となっている

引越し料金というのは、何故見積もりが必要なのかは、実は作業効率に大きく絡んだ話になっています。 
それは、時間給との関係ですね。
例えば、2LDK3人世帯が引っ越すのと、戸建て住宅の新居に、4人家族が丸ごと越してくるのでは、恐らく配送の規模が違ってくるでしょう。

当然、2人を3人、トラック運転ドライバーも、複数交代の必要も出てくるかも知れません。その上で、利益を得なければ、経営は出来ませんから、サービスには様々な経費も計算にいれてあります。 
その中に無いのは、利用者の心の中身くらいでしょうか。
引越しの不安な気分などは、引越し業者はケアできません。

つまり、その作業に際し、出来るだけ余計な経費が出ないように、作業員はやることがすでに決まっており、後から「これをお願いします」といった要求には、応える契約が事前から無いのが普通です。
契約成立後は、その条件の範囲で「やれる事」を淡々と作業し、次の仕事の準備に入ります。
従って、引越しとは、土木作業員のような職業ではなく、ホテルのホテルマンや、ウエイターと同じような、サービス事業会社に近い存在です。

担当地域ごとの作業のため集荷と配送は別

根本的な事として、効率よく仕事を時間内で終わらせることが、会社の至上命題なので、集荷、つまり、荷物の運び出しと、転居先の作業員は、同じといったことはあまりありません、近距離はよくありますが、50キロ以上の配送には、普通は、作業員は現地の拠点配送員や作業員が担当します。

つまり、昔なら引越し業者というと、1社の中にいる必要人員を手配し、1日中、現地で作業に当たることが多かったために、丸一日作業につきっきりだったのが、今は、大手を中心に、ほとんどが、グープ企業内で人員を振り分け、社員の負担を軽くしてあります。
その方が、作業も早いし、効率的なんですね。

単身者のような、荷物の少ない引越では、更に、途中の配送も大きなトラックで、一般貨物として取り扱うので、まるっきり人件費はかかってない部分もあります。

単身者で赤帽などのサービスを利用する場合

現在では、中堅規模以下の、個人経営の引っ越し、赤帽とか、中小企業の従業員が少なく、転出から転居まで、まる1日付き合ってくれるような会社は、数が少なくなってきています。 
そのため「心づけ」そのものを手渡すこともなくなりました。

それに、作業員は、会社の社員ですから、普通は個別に顧客からサービスを受けることも、独自で作業を加える事も、会社の規則で禁じられています。 
要するに、会社員と同じです。

どうしても、地元の融通の効く小さな会社を利用し、ドライバーと同乗しながら、現地で一緒に作業するような場合や、単身者で赤帽などを利用するなら、夏なら缶コーヒー1本、冬なら、お茶代で担当者に現金で1,000円くらい渡せば良いと思います。 
この場合、茶封筒に何も書かず手渡すのがマナー。 
表書きは特に必要ありません。

わざわざ心づけなど、こちらはあくまで利用者ですから、そこまでの気遣いは無用です。
相場は、せいぜいそれくらいでしょうか。

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