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借金の担保貸付と銀行の融資!質権設定で生命保険が担保になる!?
サラ金が、定収入の若者などを相手に、生命保険に契約する事を条件として融資するという事があります。
早い話、それを担保にお金を貸すという事で、特に若年層は生保の加入に際し、健康面や所得面のハードルが低いところから、こういう事も容易に可能になるのでしょう。
まあもっとも、それがマスコミに取り上げられ、問題視されて以降、正当なるビジネスをしている消費者金融では、そういう事はなくなりました。
ただ、闇金においては、今も尚、ないとは言えない話なので、本人はもとより、家族も十分気を付けなければなりません。
貯蓄性を持つ終身・養老保険は立派な金融財産となる
なぜなら、実際問題、貯蓄性を持つ終身保険や養老保険というのは、立派な金融資産ですから、どこでお金を借りる際も、一つの担保となり得るものだからです。
事実、質権を設定すれば、喜んである程度の金額を融通してくれるところは少なくないでしょう。
この質権というのは、債務者が自らが所有する資産に対して設定し、債権者に差し出す事により、借り入れ等が可能になるもので、抵当権と同じようなものだと思って頂ければ分かりやすいのではないかと思います。
ところが、実際には抵当権以上に効力が強く、受け取った物の事実上の占有権がそっくりそのまま移行してしまう事になっているのです。
つまり、その債権についてのみではあるとは言え、有効化した時には、他の誰を差し置いても、それによって弁済してもらえる権限が与えられるため、妻子や親兄弟が泣こうが喚こうが、その主張が認められる事はまずないと思っておかれた方が無難でしょうね。
そして、これは必ずしも不動産でなければ設定できないというものではなく、動産でも全く問題ありませんから、生保でも活用できるという訳です。
そうなると、先の闇金のように、自らが受取人となる新たな生保を契約するのとは違い、既存の商品に付けられるという事で、すでに終身保険などを所持している人なら、誰でもが使える借金術という事になって来ます。
そう、夫や父親が、こっそり手持ちの保険に質権を設定してしまっている可能性もないとは言えないという事で、少しでも怪しいと思われる方は一度、調べるなり、問いただすなりされた方がいいかも知れませんね。
住宅ローンと団体信用保険は生保を担保とした融資
また、近頃ではすっかり定着した団体信用保険!
主には、銀行などで住宅ローンを組む際に加入が義務付けられるものですが、他に、有担保型と呼ばれるフリー論などの個人向け貸し付けにも採用されるもので、この場合は、正に生命保険を担保とした融資です。
お金を貸す代わりに、指定の保険に入る事を命じるという事ですから、仕掛け人が仕掛け人だけに、誰も疑いや疑問は持ちませんが、厳密に言えば、先ほどのサラ金の担保貸付と全くと言っていいほど同じシステムなのです。
そのため、仮に契約者が死亡しても、その遺族には、1円の保険金も支払われません。
その代わりに、残金と同額の補償金が貸し付けを行った金融機関に払われ、それで完済できるという仕組みですから、結果的には、借りた側も貸した側も、取り敢えず一件落着で一安心できるという事にはなるのでしょう。
まあそこが闇金とは違うところで、残された家族が救われるところはあります。
ローンに対するプレッシャーが軽減されるメリット
さらにマイホームローンについては、まずは何をさておいても、その貸したお金で購入された物件に担保設定がされ、返済が滞った時などは、それを処分して弁済する事が求められます。
しかし、もし、火災や震災などの災害で焼失したり、倒壊すれば、たちまちその担保としての価値がなくなる訳で、そういう自体を想定し、あらかじめ火災保険や地震保険に質権を設定するように指示する銀行も少なくありません。
そうなると、現物の保険証券は、質権者である金融機関等に渡る事となり、万が一の時に下りる損害保険金も、全額そちらに行ってしまうという流れにはなりますが、やはり綺麗に返済できるように調整してくれますから、ローンに対するプレッシャーだけは軽減できるものと思われます。
ですので、東日本大震災や阪神淡路大震災などのニュースを見ていて、まだまだ借金天国と言えるような真新しい住宅が被災すると、ローンだけが後に残り、大変だろうと感じられた方も多いとお聞きしましたが、こうした制度を導入している銀行や信用金庫などで融資を受けていれば、その部分は問題なしという事です。
とは言え、そもそも生命保険にしても、損害保険にしても、自分たちの命や大切な家にあえて価値を付け、万が一の時に備えるというものですから、その万一の事態は致し方がないとし、それで担保貸し付けを考えるというのは、いかがなものでしょうか?
特に、この記事の前半でご紹介したような借金の武器にするような事だけは絶対に避けたいものですね。