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有効期限は3年!?生命保険の請求のタイミング
生命保険の請求漏れに注意!
生命保険に加入している以上、もらえるお金はもらいたいと思うものですが、にも関わらず、受け取れるはずのものを受け取らないまま時効を迎えてしまい、しかも、その事に全く気付かない人が少なくないという事をご存じでしょうか?
これを請求漏れといい、最もオーソドックスな例としては、死亡保険金に気を取られ、入院給付金の請求をすっかり忘れてしまうというパターンです。
入院給付金の請求を忘れるケース
確かに、被保険者が死亡すれば、多額の保障金が入ってきます。
まず真っ先に、それを思い出すのは当たり前の事なのですが、交通事故や不慮の突然死でもない限り、闘病の果ての他界というのが圧倒的多数!
そう、病気で亡くなられる多くの方は、その前に数日でも入院されます。
そうなれば、当然、その入院に対するサポートも受けられるのですが、うっかりそれを忘れたり、気が付かれない方がおられるのです。
でも、保険会社はよく、慌てるでなかれ、保険金や給付金の請求期限は3年と長いので、後で気が付いても大丈夫な事がほとんどだと言います。
実際、親が亡くなった後、遺品の整理をしていて、保険証書が見付かるというお宅は少なくありません。
特に昔の人は、保険大好きで、複数の会社と契約しておられる方も多く、子供たちが全てを把握しきれていない事も考えられるでしょう。
ですので、こうした場合は、直ちに手続きすれば、まとまったお金が受け取れ、思わぬ臨時収入になる事は十二分に考えられます。
しかし、それでもやっぱり、死亡直前の入院給付金の請求をされない方が目立つのです。
初めて病院に入った被から3年間の有効期限
と、こんな話をすると、だけど、有効期限が3年もあるんだから、後で言えばいいんじゃないの?
そういう声が聞こえて来そうですね。
正におっしゃる通り、これには初めて病院に入った日から数えて3年という請求期間が与えられます。
よって、その間に診断書などの必要書類を揃え、手続きすれば、審査さえ通ればという条件付きではありますが、かなりの高確率で1週間後くらいまでには入金されるものと思われます。
また、少々調査に時間を要しても、最終的に問題なしという回答が出されれば、その後ほどなく振り込みされるでしょう。
死亡保障と一緒に医療保障の手続きも済ませる
しかし、これはあくまでも、本人が生存していて、死亡保障金を受け取っていない場合の話です。
というのも、生保というのは基本的に、満期を迎えたり、死亡による保険金を受け取った時点で契約満了となり、以後、例え据置き金として満期金やお祝い金を保険会社に預けていたとしても、その効力は全く持たなくなってしまうのです。
要するに、解約し、返戻金を受け取ってしまった解約後と同じ状態になってしまうという事ですから、必ず死亡保障と一緒に医療保障の請求手続きもする事が大事なんですね。
入院中でも手続きできる
実際問題、入院給付金というのは、所定の日数を経過すれば、例え入院中であっても請求する権利が発生します。
また、許容範囲に収まれば、その後の病床分も追加で申請できますから、長期間にわたって病院暮らしを余儀なくされるような時などは、適当なタイミングを見計らって、一旦まとまったお金を受け取っておくというのも一つの手でしょう。
よく、日本の健康保険には、高額療養費制度があるから、病院代の心配などする必要ないとおっしゃる方がおられますが、残念ながら、それで家族や自分の日常生活が賄われる訳ではありません。
やはり妻や夫の手厚い介護を受け、一日も早く回復するために栄養のある物を食べてという闘病生活をしたければ、みんながある程度安定した日々を送れるだけの資金は必要で、それに充てられるのが生保です。
ここで使わない手はない事も大いに考えられます。
ただ、その給付金を受け取るためには、必ず医師の診断書が必須で、これを書いてもらうのに際し、5,000円ほどの手数料を病院に支払わなければなりません。
そうなると、一回の請求で済ませられれば、それも一回分でいい訳ですが、分割してとなると、都度余計な出費となり、馬鹿にはできなくなるというもの!
ですので、どうしてもというのでなければ、やはり退院後に一括で請求するというのが最も利口だとは言えるでしょう。
相続税の対象となるケース
加えて、余命が僅かとなれば、尚更の事、悲しい事実ではありますが、入院生活が終わる目処もそこそこ立っている訳です。
だったら、より一層、途中で余分な費用を遣うよりはというのが賢明かと思われます。
ところが、被保険者と受取人が同一人物である場合、死後に医療費を請求する権利は、法定相続人に与えられますが、その代わりに、本人が自分のために使えないまま他界してしまったお金という事で、遺産となり、相続税の対象になってしまうのです。
それでも、財産が少なく、控除枠内に収まるのであれば問題ありません。
けれど、非課税枠を超えるような不動産や現金、それに死亡保険金が入る可能性があるのであれば、これもまた、いささか要注意です。
そこで、こういう事は極力考えたくないのですが、最も損をしない方法としては、昏睡状態に陥り、いよいよ家族が集まるというような時間が間近に迫った頃、先に病院代だけを請求するという形でしょう。
これだと、残り数日分は諦めざるを得ない事も考えられますが、それより税金の方が高ければ、断然お得ですし、少額になる事により、課税対象を免れる可能性も出てくるかと思われます。
ですが、被保険者が危篤状態に陥ると、最もみんなが慌てふためく時でもありますので、この作戦を実践するには、あらかじめ保険会社に連絡し、必要な書類を揃えておくと同時に、保険証券なども確認し、最終的に迅速な対応が出来るような段取りだけはしておかなければなりません。
加入から10年以上経過している場合は内容確認や見直しを
加えて、こういうケースであっても、生存している以上、原則として、被保険者が手続きをする事と、どこの生保会社でも定められているのです。
とは言っても、事実上、昏睡状態の病人に、そんな事ができるはずがなく、明らかに保険金等を請求する意思表示が困難である事は言うまでもないでしょう。
そこで、このようにはっきりと請求意思能力がないと判断された場合に限り、指定代理請求人が手続きを進め、給付金を受け取る事が認められています。
ただし、それには事前の届け出が必須で、且つ、第一生命のような大手において代理人として認められるのは、戸籍上の配偶者もしくは、被保険者の直系血族または3親等内の血族、あるいは、被保険者と同居または生計を一にしている被保険者の3親等内の親族に限ると規定している事も多く、それ以外の人に頼みたい場合は、契約者が事前に受取人名義を変更しておく必要があると言えそうです。
という事で、特に加入から10年以上が経過している生命保険については、このような代理人の指定がされていなかったり、家族構成や生活環境ががらりと変わってしまわれておられる方も少なくはない事でしょう。
そして何より、保険の期限や内容が曖昧になっておられる方も多いかと思われますので、思わぬ請求漏れを防ぐためにも、今一度家族と確認し、相談しておかれる事をお勧めします。