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生命保険とは本来、死亡保険と同義でした。
死亡保険とは、契約者が保険期間中に死亡した場合や契約期間満了となった時に、それまで積み立てた保険料と契約で設定した保険金を受け取る仕組みで、これはかつて養老保険と呼ばれていたものです。
貯蓄性が高く、老後の資金として利用されてきました。

一方の損保会社は、火災保険と船舶用保険がその源流と言ってもよいでしょう。
気象条件などで船が転覆し、契約者が死亡した場合や、放火や自然災害で火災になった時に、自分の私財をある程度原状回復したりする時に使われてきたからですね。

メリットが薄れてきているのはなぜ?

narrator
両方とも共通していたのは、保険料は自分で自由に設定できる点です。
加えて、更新の時に保険料が変わることはありません。

しかし、このメリットは最近では薄れてきてしまっています。

理由は、生命保険では医療保険と呼ばれる、今までは特約で契約したポジションだったものが主体となり、損保保険は1年契約を主体とした、損害保険が主体となったからです。

例えば、自然災害だけで家を失う可能性は、自分がタバコの不始末で火災を起こす確率より、非常に低いことが考えられます。

また自動車の場合、免許を持っている人に比べ、持たない人は少なくとも自動車関連事故に合うケースや加害者になるケースはありません。
保険はリスクの割合が高い人ほど保険料が高いのですが、保険会社にとっても保険金支払いの確率が高くリスクが大きいのです。

つまり、現在の保険とはリスクの少ない契約者を集め、ほとんど使われない保険金と、一定期間を過ぎれば丸々収益となる保険料という構造になっています。

生保が損保の役割をする理由

上記の理由により現在の生命保険は従来の貯蓄性のある養老保険よりも、医療保険のような保険会社が設定するリスクの少ない条件で契約できる、医療保険が主体となっています。

この医療保険は、万が一の怪我や病気に対応させる、”滅多に無い”リスクに対応し、保険金の支払は、死亡保険の様に満額ではなく、実費から契約の範囲内で支払われます。

つまり自動車保険ととても良く似ていると言えます。
言い換えれば、医療保険の怪我補償と死亡保険を組み合わせたものが、自動車保険の役割の多くだと言っても良いかもしれません。

人身事故全てを自動車保険でカバーする必要はある?

現在の生命保険は、掛け捨ての部分がほとんどです。
死亡する確率より、生きている間の方が怪我や病気といった支出は可能性が高く、契約者も保険金を使うといった具体性がイメージしやすいからですね。
この考え方を逆に応用すると、掛け捨て保険であるなら、交通事故の怪我の治療は、医療保険でも補うことが可能ということになります。

そうなると、自動車保険の損害賠償部分はどの会社も共通して、上限が設定されていませんから、自分に対する補償でこの怪我の治療、傷害補償の部分を削ることができます。
自動車保険は、契約者自身が利用できる契約を削ると、保険料を大幅に安く出来ます。

賢く組み合わせることで保険料を節約する

narrator

つまり、自動車保険の車両保険部分と、生命保険の医療保険部分を組み合わせ、死亡保障は生命保険と自動車保険で契約者をカバーすれば、2つの異なる保険の重複契約は、かえって保険料の節約になるんですね。
これをアピールした、「超保険」とか「セット割引」などは、代理店型の保険会社の得意な分野です。

通販型損保などは、医療保険と自動車保険を上手く組み合わせれば、保険料を下げる事が可能です。

保険会社にとってもリスクは低く、加えて契約者は万が一の備えで自動車事故の怪我補償、死亡保障を一つにできるからですね。
これは自動車保険では決してできない保障です。
加えて、加入はこの部分が1社ですから割引きの適用を受けることになります。

このことから、本来の自動車保険を対人対物賠償と車両保険だけに集約し、自分や家族の怪我の補償は医療保険へ持たせることができる事になります。
有名なのが、東京海上日動の超保険です。

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