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事故による休業損害と慰謝料!自動車保険の計算と過失割合
「交通死亡事故で、最高裁が1億円の損害賠償の判決をだした」といったニュースを耳にすると、あたかも常に交通事故の損害賠償は高額で、任意保険加入は絶対必要だと思い込みがちになるでしょう。
確かに常識として、それだけの損害をカバーするには自賠責保険では、とても対応できません。
任意保険に加入する意味は?知らないと損する豆知識
しかし注意するのは、カバーできないからといって、全ての賠償を任意保険が請け負っているわけではないのです。
任意保険の役割は、賠償責任を契約者が生じた場合に、自賠責保険に上乗せして支払う補償であるということになります。
特に車両にかんする賠償は、自賠責ではできませんので、任意保険に加入する意義はここにあると言っても良いでしょう。
この時の賠償基準が、実は自賠責保険の慰謝料計算であり、それが治療期間全日数と、実際に病院へ通院した日数を2倍したものが対象となります。
自賠責保険では、1日あたり4,000円としているので、自賠責で計算し、それを上回った分だけを任意保険はカバーすることになります。
この実質、怪我の治療に必要な期間が保険では慰謝料となっており、休業補償も同じく、治療で働けない期間と同義なので、保険会社が指定する会社の源泉徴収票や、給与所得を示す書類の提出で計算されます。
転医などで治療を中断する際は、14日以内なら、中断日数も治療期間として加わり、15日を越える中断では、最初の治療期間から、再治療期間を分離して、始めの治療期間に7日を加算して計算される事になります。
専業主婦も補償を受けることができる!連続して休んでいることが条件
基準は事故前の3ヶ月間の総支給額を90日で割ったものが、休業補償の計算です。
これは休日も加えて計算されます。
条件は連続して休んでいることで、1日でも会社へ行った場合は、そこで休業補償は切られることになります。
専業主婦も、1日5,700円ほどで計算し、補償を受けることができます。
いずれにせよ、休業賠償と慰謝料計算はペアで計算されるので、休業賠償日数が慰謝料計算における日数を上回ることはありません。
過失相殺は自賠責では関係ない!交通事故で保険を使うと3等級下がる
自賠責保険の傷害における限度額は、被害者1名につき120万円と決まっており、これには過失相殺も関係なく、この範囲であれば、間違いなく自賠責保険が使われます。
これには、通院に要した交通費、入院中の雑費や診療報酬明細書の手数料も含んでいるんですね。
また、過失割合は警察が決めるものではなく、損保会社の現場確認と調書の整合性を考え、被害者と加害者で考えるのではなく、実損における割合を保険会社の担当者同士で話し合いをして、最終的に過去の裁判所の判例が基準とされます。
従って、契約する損保会社による話し合いは、民事上の問題であり、被害者だから有利、加害者だから不利といったことはないのです。
つまり、過失相殺が行われ、例え被害者であっても、車両の修理で加害者よりも修理費用がかかった場合は、車両保険を使った時点で等級は下がります。
交通事故の場合は、自動車保険を使えば次回更新時に3等級下がることになるんですね。