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生命保険というと、本当に多種多様の商品がある上、いずれも内容や条件が複雑で分かりにくいとおっしゃる方が大勢いらっしゃいます。

しかし、実際には生命保険というのは、死亡すればまとまったお金が入って来るというもので、それ以上の何者でもありません。

入院すれば日額いくらとか、癌になれば給付金が受け取れるというようなものは全て、医療保険であって、生保というよりは、極めて健康保険に近いものです。

収入と月額料のバランスで選択する

ですから、ごくごく基本的な生命保険の選び方はただ一つ、被保険者が亡くなったら、いくらくらいのお金が欲しいかという事を定め、それに見合う保険料が払えるかどうかだけでしょう。

よって、例え3,000万円欲しいと思っても、月々の払い込み料が高くて苦しいと思うのであれば、保証額を下げるより致し方ありません。

そう、結果的には、収入と月額のバランスで選択するしかないと言っても過言ではないのです。

しかし、保険会社の外交員たちやFPが作成する見積書をよくよく見ると、主契約となる終身保険の部分は案外安く、それに様々な特約が付帯する事により、見る見る月額がアップして行く事に気が付かれるのではないかと思います。

そして、終身だけなら、希望額のままでも払えそうだと思われる方も少なくないはずです。
もし、そう思い、ここだけでいいとはっきり割り切れれば、それは実に利口な生保の選び方をする事になりそうですね。

生保会社が得をする商品とは

実際問題、生保会社が得をする商品イコール、私たち加入者が損をする商品であると見られます。
そして、終身保険は、保険会社としては、余り儲からないものですから、我々には、十分メリットがある事になるでしょう。

さらに、完全積み立て型の養老保険や学資保険なども同類!
その証拠に、無料保険相談会社に登録しているFPさんたちは、契約成立するごとに、各社から手数料として、保険料の何割かを受け取って生計を立てている訳ですが、その額が一番高額なのはがん保険などの医療保険で、次が終身型の死亡保険、そして、最もお礼が少ないのが学資や養老となり、その間には、20パーセント以上もの差が出る事もあるといいます。

即ち、ここに業界が美味しい思いをするものと、そうでないものの違いが明らかに反映されている訳です。

確かに言われてみればその通りで、終身型はその名の通り、一生保障しなければなりません。
となると、必ず我々人間は死ぬ生き物なのですから、契約が存在する以上、よほどの理由がない限り、約束しただけの保険金は支払わなければならないのです。

それも、払い込み総額より多いというのが通常で、国債などの利回りが低い昨今、やはり苦しいのは否めないでしょう。

中途解約と解約返戻金

当然のことながら、被保険者が他界した際に、その契約が消滅していれば、保険金を払う必要はありません。
けれど、それは恐らく、それ以前に中途解約されている事が圧倒的多数で、そこには解約返戻金なるものが発生しているはずです。

そうなると、早期に潰された保険についてはそれほどではありませんが、払い込み満了の前後に解約されると、利息を加えた額を返金しなくてはならず、これまた、有り難くはない話になります。

それに対し、特約部分の医療保障や休業補償、あるいは、収入保障については、掛け捨ての定期保険である事が多く、この場合、期限が来れば、一度も使用されなくても、1円も払い戻す必要がありません。

そこで、特にがん保険や三大疾病保障特約などについては、何だかんだと条件を付け、それを満たす事によって、初めて給付金が受け取れるという契約にしておけば、丸儲かりになる確立も、低くないでしょう。
だからこそ、生保レディーたちは、頼みもしないのに、こうしたプランを事前に組み込み、まるで、それも含めた終身型保険のように説明する訳ですね。

医療保障を付帯させると掛け捨ての額が大きくなる

この事がより一層顕著なのが、養老保険や学資保険で、これは絶対的に満期があり、その際には、満期金を契約者に支払わなければならないものですから、非常に利益率の悪い商品なのです。

逆に言えば、少々月々の保険料は高くても、我々から見れば、損しない保険という事になるでしょう。

ただ、こちらも、やはり入院や通院に対するサポートを希望すれば、それは先の終身保険と同様、特約として医療保障を付帯させる事になり、その分、掛け捨てとなる部分の額は大きくなります。

ですので、あくまでもお金を貯める目的なのであれば、それに徹し、養老や学資を、死亡時の保障が得たいのであれば、終身に徹する事が、最も損しない方法で、後者の場合、極力中途解約はしない事です。

終身だけでOKとする選択肢も!?

何故なら、先の通り、例え終身であっても、一度解約してしまうと、そこで全ての契約は終わりになり、いざという時の効力は持たなくなってしまいます。

しかも、安価なプランに契約している場合、途中で辞めようとすると、解約返戻金が極端に減り、当たり前のように元本割れしてしまう事も珍しくないので要注意なのです。

でも、本音を言えば、やはり病気や怪我に対する保障はあった方が安心ですし、保険というのはそもそも、万一の時のためのものです。

それを考えると、無駄になるのを覚悟で付けておくのが理想なのかも知れません。
そして、使わなければ、それはそれで、一番幸せな結果に終わったと喜ぶべきなのでしょうけれど、どこのご家庭も、下がる給料と上がる税金の中、必死に家計をやりくりしておられるのですから、そんな悠長な事は言っていられないのが現実ではないだろうかと思われます。
ならば、いっその事、こうした一つの賭のような特約を全て外し、終身だけで取り敢えず生命保険はOKとするというのもありきなのではないでしょうか?

外資系企業や共済の単体の定期型医療保険への加入

加えて、どうしてもこうした保障が欲しければ、外資系企業や共済が出す、単体の定期型医療保険に加入するのも賢い方法です。

こんな風に言うと、さっき、生保会社が儲かるものは、私たちが損するものだと言ったじゃないかとおっしゃるかも知れませんが、特約で販売される医療保険と、単体で販売される医療保険とでは、保障の手厚さが大きく異なり、後者の方はどちらかと言うと、損害保険に近い性質を持ち合わせているのです。

そのため、端から保険会社が設けるために作られてものではありませんから、掛け金に大差はなくとも、充実している事になります。

年末調整と確定申告での還付

また、損得勘定の計算で行くともう一つ、別個にこのような医療保険に入ると、今は年末調整や確定申告で還付が受けられる生命保険料控除でも、終身型とは別枠で申請でき、両方で最高8万円までの控除が受けられます。
ですので、ここでも若干のお得感を味わっていただける事でしょう。

そして何より、このような定期保険は、いつでも容易に加入し、容易に解約できるというメリットも、コロコロ変動する昨今のライフスタイルを考えると、思いのほか、大きな長所になりそうです。

つまり、必要だと思えば入り、不要になれば辞めればいいだけで、それは、手持ちの生命保険を見直すような大げさな事ではありません。

安易に乗り換えたり解約したりしない

という事で、本当に損しない保険選びのコツとしては一つ、終身型は貯蓄性があると謳うセールスレディーも多いですが、それには捕らわれず、できる限り、一生所有するものと考えましょう。

そして、決して安易に切り替えたり、乗り換えたりしない事!
それをする事により、定期保険の更新と同じく、確実に加齢により、保険料はアップします。
また、健康状態や就労状況によっては、変更や新規契約が困難に陥る事も大いに考えられ、これは転換でも当てはまるのです。

こうしたリスクを避けるには、最初に将来に渡って支払える金額と欲しい保険料をきちんと定め、その範囲内で加入できるものを選ぶに限ります。

その土台さえしっかりと作っておけば、後は時代の流れに応じた商品をあちこちから探して来てはくっつけたり、取り外したりする事により、今一番必要で且つ、今一番損しない保険ライフが送れるのではないかと思われますね。

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