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今は昔と違って、精神疾患は立派な病と見なされます。
よって、精神科や心療内科に入院していたり、通院していても、単に病床にあるというだけの話で、何も恥ずかしい事でも、悪い事でもありません。
しかし、故に、生命保険の加入に際しては、大きなネックとなるのです。

当然、病気なのですから、その告知義務は生じます。
例え今は完治していても、過去5年間に発祥や闘病していれば、病歴となり、告知書にはその旨の記載が必要です。

万が一、それをせず、後で発覚した場合には、故意であったか否かは問題外!
告知義務違反となり、直ちに解約させられます。

本人が認識していないケース

中には、その事をご存じなかったという方や忘れておられたという方もいらっしゃる事でしょう。
特に、不眠症で医師の診察を受け、薬をもらっておられる方などは、自分自身、病人だと思っておられないケースが圧倒的多数です。

それでも、それは通院と投薬治療をしている事は明らかな訳ですから、その主張が認められるはずもなく、一応解約返戻金のある商品については、その分のみ返金されますが、以後、同じ会社での保険加入は難しくなると思っておかれた方が無難でしょうね。

ならば、正直に打ち明けた場合、それで契約成立となるのかと言うと、残念ながら、心身を患っている場合、様々な肉体的リスクだけでなく、精神的リスクも背負っている事となり、特定部位の持病を持つ人よりも危険であるという見方をされる事は珍しくありません。

それに、統合失調症などになると、一回の入院期間が数ヶ月と長引く事もしばしばで、その後の通院も、いつ終止符が打たれるのかという見通しが中々付かないのが一般的!

だからこそ、保険が必要になるというものではあるのですが、生保会社にしてみれば、やはり極力避けたいお客様になってしまうのです。
結果、審査が通らず、引き受けてもらえないという事になってしまいます。

加入後に発病した場合はどうなる?

しかし、加入後に発病した場合は、何ら問題ありません。
例え更新型の定期保険でも、更新時に改めて健康状態を確認しないのが基本ですから、そのまま継続できます。

しかも、最初に書いた通り、精神疾患は立派な病な訳ですから、それで入院すれば、入院給付金が受け取れますし、事故等で死亡しても、自殺でない限り、きちんと保険金は支払いされます。

また、過去に精神を患っていても、現時点で完治していれば、それを証明できる医師の診断書を提出する事により、加入が許可されたり、責任開始日からの一定期間、精神科や心療内科での治療については給付されないものの、他の病気での医療費は保障されるという事も珍しくありません。

特定部位不担保と引き受け緩和型・無選択型

実際、急性盲腸炎や癌などは、うつ病や自律神経失調症があろうがなかろうが関係なく発祥するものです。
むしろ、因果関係がない事が普通で、こういう形態の保険契約を「特定部位不担保」と言い、精神病に限らず、内科や婦人科系の病気を持っている人にもよく用いられる形なのです。

それも、ずっとではなく、一定期間である事が大半ですので、逆に隠して告知義務違反に問われるよりは、それで納得し、少しでも若いうちに安価な保険料で契約しておく方が利口だと言えるでしょう。

さらに、現在も治療中の場合は、残念ながら、こうした条件の下での加入というのも難しいかとは思われますが、最近よく、テレビCMなどで目にする、“持病があっても大丈夫!”という引き受け緩和型や無選択型と呼ばれる商品なら、十分加入できる可能性はあります。

特に無選択型は、読んで字のごとく、相手を選ばない訳ですから、来る者こばまずで、加入条件はただ一つ!
指定の保険料が払えるかどうかだけです。
しかも、保障の内容はみんな平等で、精神疾患での入院に対する給付金も下ります。

本当に契約する価値があるのかどうかを見極める

ところが、その保険料が恐ろしく高額というのが特徴で、支払い能力があるかないかだけでなく、果たして、本当に契約する価値があるのかないのかも、しっかりと判断される事が大切でしょう。

というのも、やはりこの手の疾病を患うと、どうしても就労が困難となり、収入が激減される方は少なくありません。
ですが、その代わりに、健康保険の高額療養費制度や自立支援制度が活用できます。
入院費は前者で、通院費は後者で比較的何とかできるもの!

それに、いくら生命保険に入っていたところで、1回の発病や入院でサポートしてもらえる給付日数というのは定められていて、その上限までを使い切手しまうと、後はただ只、保険料を納めるだけという事になってしまうのです。

こうした事を考えた時、あえて無理して高価な引き受け緩和型や無選択型に入る意味や価値があるのかという事になって来るのではないでしょうか?

そして何より、精神疾患は不治の病ではありません。
必ず的確な努力と治療で完治する病気がほとんどです。
ならば、その後に改めて、生保への加入を検討されても遅くはないでしょう。

加齢とともに保険料が上がる事を懸念される方もおられますが、それでも、闘病中に高額の商品に入り、長年払い込みする事を思えば、その方が安価になるかも知れません。

あるいは、共催の定期保険なら、30歳から60歳までは掛け金が同じというようなプランも多々ありますので、後にそうした保険に加入されるのも一つの手ではないかと思われますね。

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