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新規加入や見直しで気を付けたいこと!生命保険の乗合代理店と乗合要件について
生命保険の乗合代理店と乗合要件
今や生命保険見直しの定番ツールとも言える存在になったのが、無料でFPにあれこれ相談に乗ってもらい、本当に自分に合った商品を探してもらえるという保険の窓口のようなシステム。
中立な立場で保険商品を取り扱ってるの?
そして誰もが思っています、こうした保険ショップは、複数の会社の商品を中立な立場で取り扱っていると・・・。
もちろん、彼らもそれをメインにアピールし、おまけに“ただで一役買って上げましょう!”というのです。
驚くほど奇特な人々で、信頼が厚いのも致し方のないところだろうと思われます。
けれど、これはまさに純情な日本人相手だからこそ成り立つビジネスで、欺し合いが定番のような海外では、かなり危険な手法であると言えるでしょう。
実際問題、いくら小心者の我々でも、よくよく考えてみると、“不思議だなぁ?”と思う部分は、いくつか思い浮かびます。
まず何より、一流のFPたちはみんな、本当にボランティアで活動しているのか?
また、好立地な場所に実店舗を構えるところも多く、その維持費はどうなっているのか?
もちろん相談客に対し有料で応対するのであれば、これらは難なくクリア出来る事で、気になる事など全くありませんが、“無料でお知恵を提供します!”というのです、そのからくりが分からなければ、安心して“お願いします!”と言えないというより、言ってはいけないのではないかという気がしませんか?
相談料は本当に無料なの?
事実、本当に無償で相談に乗ってくれるのか?というと、本当に契約しなくても相談だけでも完全無料です。
実はこうした保険ショップは普通の保険代理店ですので、どこでも無料で相談に乗り、手頃な商品を提示するのはごくごく当たり前の流れでしょう。
むしろ、この時点で相談料など取られようものなら二度とお世話になろうとは思いません。
すなわち我々消費者側は、決して奇特な人たちだなどと思ってはいけない訳で、そういう信頼を抱くこと自体、以後ちょっと無茶な提案をされても、疑う事なく信じてしまいがちになりますから、彼らにとっては思うつぼなのであります。
代理店と生命保険会社のカラクリ
そもそも、こうした複数の保険会社の商品を取り扱うところを乗合代理店と言い、そこで動き回る人たちを乗合募集人と呼びます。
この募集人というのは、生命保険における営業担当者のような人材で、保険会社の外交マンや生保レディーたちはその代表格です。
よって、彼らのお仕事はただ一つ。1件でも多くの契約を取ることあって、それは代理店のセールスたちも同じです。
しかも、代理店というのは生命保険会社から見れば、思い切り下請けですが両者の間に資本関係は一切なく、1件獲得するごとにいくらという手数料が入って来るだけです。
気楽な反面、実にその繋がりはシビア!
どこの生命保険会社も自らに利益をもたらしてくれるところには、自分たちも利益をもたらすという事で、様々な優遇措置がとられますが、そうでないところに対しては、何ともクールに接していると見ていいでしょう。
となると当然ですが、やはり待遇アップを狙う事で、経営は一気に楽になります。
すなわち例え複数の会社の商品を取り扱っているとしても、八方美人で行くより極力1社に絞って商談した方が、美味しいという訳です。
実際、各社ごとに代理店に対しては、契約件数などを目安にした手数料ランクのようなものを定めていて、当然それが高くなればなるほど、実入りは多くなります。
複数の生保会社の商品を取り扱う意味と金融庁の施策
でも、それでは複数の生保会社の商品を取り扱う意味がないんじゃないの?
そう思われるかも知れませんが、実は全くもってその通りで、多くの乗合代理店は従来の専属代理店と大差はないとすら見られます。
そこで、ついに金融庁が、その規制強化に乗り出しました。
一時期、新聞やテレビでも大きく取り上げられていましたから記憶にある方も多い事でしょう。
ただ、正しく特定の生保会社から自立し、中立な立場で教育出来るだけの専門知識、及び高度な周辺知識を持っている教育責任者と、保険募集に関する業務を的確且つ、公正に行う業務管理責任者のそれぞれ1名ずつを置く事により、例外としてこのような乗合代理店が認められているのです。
つまり、さすがに1人では立ち上げられないものの、2名以上の人材確保が出来れば、比較的容易に手を出すことのできるビジネスで、別段FPの資格がなければならないという規定はありません。
後は取り敢えず、取り扱う保険会社の乗り合いに関する履修さえ受ければ、法令上の乗合要件は満すことができ、その後は自由自在に複数の会社の商品を販売できる訳です。
とは言え、消費者にしてみれば、こうしたところなら多数の生保を比較検討した上で、めぼしいものをピックアップし、提案してくれているのだという安心感があります。
そのため、多くの方は初回に、取り扱い会社や商品の一覧を見せ、個々の特徴を説明されなくても、それほど不信感は抱きません。
けれど、それでは本当に最適なものを紹介してくれているのかどうかは定かではありませんから、実際には向こうの言いなりに話が進められている事も考えられるのです。
という事で金融庁は、そうした事とともに保険会社別の契約件数と手数料を記載した事業報告書の提出も義務付ける事にしました。
とはいえ、やっぱり生命保険というのは自分のことですから、そもそも人に守ってもらわなければならないということ事態、不安視するべきでしょう。
ただ、一度に多数の会社の商品が見られる乗合代理店は、それこそ十分に比較検討して選ぶ場としては最適です。
実際に大手保険会社の外交員から直接話を聞いたところで、もちろん自社の商品を勧めてくるでしょうから、当然のことながら選択肢の幅は狭まります。
やはり選択肢の多さを考えてみても、こういった代理店を利用しない手はありませんが、あくまでも自らの視線で見て、主導権を持って話をする事が大切なのではないでしょうか?
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