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生命保険はいざという時のピンチを救ってくれるもので、それは必ずしも怪我や病気で入院したり死亡した時だけではありません。
急に、まとまったお金が必要になった時にも救世主となってくれるものなのです。

ただし、そうした場合に手にできるお金は、保険金や給付金のようにもらえると言っても過言ではないものではなく、あくまでも“貸してあげましょう”というお金!
これを「契約者貸付制度」と言い、我々加入者が借り入れるという形の取引になります。

信用情報を明らかにする審査なし

ただ、銀行や消費者金融とは違い、担保も保証人も不要で且つ、収入や信用情報を明らかにするというような審査もありませんから、無職でも、ブラックリストに載っているような人でも利用する事ができます。
そのうえ、低金利で返済期限も特に定められていないという驚くほど寛大なサービスです。
また、年収100万程度の方が1,000万以上の貸し付けを受ける事も、時と場合によっては簡単にできてしまいます。

とは言え、世の中こんなにも簡単にお金の融通がなされていいものなのでしょうか?
そもそも綺麗な花にはトゲがあると言われるように、こんなに美味しい貸し付けがあるなんて、信じられないと思われませんか?

そうなんです、こうした保険会社が契約者貸し付けの謳い文句に上げている事柄を全て鵜呑みにし、何も疑わずに申し込んだり借り入れすると、ろくな事になりかねません。

当然のことながら、そこには嘘偽りはありませんが、様々な条件があって、それらがクリアできていればという事ですから、やはりストレートに信じるよりは、少々疑って掛かるくらいの方が賢明でしょう。

積立型の保険の解約返戻金や満期金を担保にお金を借りる

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まず、改めてこの制度をご紹介すると、現在加入している終身保険や養老保険、あるいは学資保険と言った積立型の保険の解約返戻金や満期金を担保にお金を貸しましょうというシステムで、当然ですが、掛け捨ての定期保険や医療保険は、いくら高額の保証契約を多く交わしていても話になりません。

保険会社に自分のお金を預けるという形の貯蓄性のある商品を保持してなければならないのです。
ただ、そうした終身保険などがあれば、それが担保になりますから、保証人や他の担保は必要なく、最悪そこからの返済が可能になるため、審査も要らないという訳です。

上限はいくら?返済義務と利息

では、一体全体いくらくらい借りられるのでしょうか?

最も気になるところですが、その借り入れ可能額は、現時点で解約した時に返って来る解約返戻金の70パーセントから90パーセント。
この限度額の上限は、商品によってというよりは、保険会社によって異なります。

例えば、今日時点での解約返戻金が100万円だとすると、70万程度は都合出来ると思っておかれるといいでしょう。
万が一、90万円まで借りる事ができたとしても、70万円で何とかなるのであれば、そこで留めるべきです。

なぜなら、お金を借りる以上、あくまでも借金ですから、返済義務だけでなく利息も付帯します。
実はこの利息がくせ者で、後でご説明しますが、下手をすれば自分で自分の首を絞めることにもなりかねません。
そこで、なるべく早期返済が可能な額で必要最低限の額、これを限度額と自分で定められる事をおすすめします。

利息は年利3%前後!金融機関よりも安い?

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とは言っても、実際問題、払い込み満了時に1,000万円となるプランに加入していても、それは20年・30年掛けて支払ったあげくの話であって、目下せっせこと払い込んでいる真っ最中ですよね。

そうなると、それほど多くのお金は貯まっていない訳で、解約返戻金は、その貯蓄額によって決ります。
そのため、若いうちはいくらも借りられない可能性が高いのです。

しかし、だからこそ安心安全という事も言えるでしょう。
というのも、先にも書いた通り、この保険会社の契約者貸付制度、実は利息が恐ろしく高いのです。

確かに見た目は、銀行や消費者金融が出しているカードローンに比べ、明らかに低金利!
ちなみに、利率は契約している商品の予定利率に1パーセントほど上乗せした程度で、現在の相場から見ると、だいたい年利3パーセント前後でしょうか。
年利5パーセント以上が主流の金融機関の融資に比べれば、正に女神様のような安さです。

元利総額を残高として見なす複利方式での計算!

ところが、銀行や消費者金融で借りたお金の利息というのは、元金にのみ付帯するもので、元金さえそこそこ返していれば、利子はそうは増えないと言われていますよね。
けれど、生保で借りたお金は、上記のような単利方式ではなく、複利方式という方式で計算され、元利総額を残高として見なし、それに利息を掛けるというやり方なのです。

つまり、元本にのみ利子が付くのは初月のみで、その後は、その付いた利息部分にも利息が付きます。
そうなると、予想以上に返済額が大きくなる事は言うまでもないでしょう。

しかも、ただひたすら借りたお金を返せばいいというだけではなく、保険としての意味と価値を生かしておくためには、その間もずっと保険料の支払いは必須です。

すなわち、月額1万円のプランだったとすれば、それプラス返済金という事になり、少なくとも1万1円は払わないと、借り入れ分の支払いをしている事にはなりません。
結果、その部分については、期限がないのをいい事に入金が滞り、元利総額が解約返戻金を上回ってしまわれる方も多く見受けられます。

それでも、厳しい取り立てが来るとか、罰せられるという心配は一切ないだけに、危機感を持たれない方が圧倒的多数なのですが、実は実は、その裏側で着々と悪夢は進行しているのです。
そして、気が付けば、その保険は無効となり、全ての保障は失効してしまうというケースが後を絶たないという一つの借金地獄が、ここにもちゃんと成り立ちます。

こうして程なく自動解約となる訳ですが、当然、その際の解約返戻金はありません。

返済が困難であれば保障は諦めて解約する?

ですから、万が一多額の借り入れをし、返す事が困難な状態であれば、早期に保障は諦め、自主的に解約する方が利口でしょう。
そうすれば、貸し付け限度額のお陰で、わずかでも残った部分の返戻金を受け取る事が出来ます。

という事で、もともと保険というのは、極力お世話にならないに超した事のないもので、この契約者貸付制度というのは、正にその代表格だろうと思います。
相手が保険会社であっても消費者金融であっても同じ、お金を借りる事のリスクの大きさをしっかりと把握し、安易に手を出さないようにしなければなりませんね。

それでも生命保険からの借り入れを検討されているという方は、財テクのプロでもあるFPに相談するのが安心です。
新規加入や見直しだけではなく、あらゆる相談に無料で乗ってもらえるサービスもあります。
自己判断ではなくプロの視点で適切なアドバイスを受けて考えてみてもいいかもしれませんね。

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