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対象品目は?軽減税率のメリット・デメリット
消費税増税に伴う軽減税率の適用により、ますます賢い節約術が必要になります。
とは言え、現時点では、国や業者にとってのデメリットは大きいものの、私たち一般消費者にとっては、大したデメリットもない代わりに、大きなメリットもないと見ていいでしょう。
それが、海外で適用されている軽減税率と、日本で適用されようとしている軽減税率との大きな差です。
欧米との税率の差
もう既に軽減税率が適応されている欧米においては、対象品目も多く、税率の差も中途半端ではありません。
例えば、とある国のドーナツ屋さんだと、店内で食べる場合は19%の消費税が掛かります。
ところが、お持ち帰りにすれば、7%と半分以下になります。
一方、ドーナツ6個以上になると、その場で食べるための購入ではないということで非課税となるのに対して、5個までだと外食用と見なされ、6%という国もあります。
ただ、いずれにせよ、半額以下になったり、非課税もしくは課税対象ということで、その差が大きいだけに、明らかに消費者のメリットはありますね。
対象品目の差
新たに導入が予定される日本の軽減税率において、一つ注目したいのが水です。
ちなみに、ウォーターサーバー本体のレンタル料や水の送料には10%の税率が適用されます。
なぜ、こんな違いが出るのか?
不思議に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、その理由は至って簡単で、基本的な対象品目は飲食物と定められているからです。
市販の水は、ほぼ100%飲料水や調理に使うために購入するものです。
ところが、水道水は、掃除や洗濯、お風呂など、生活用水としての用途も高く、特に市販の水をお使いの家庭の場合は、その傾向が強いですね。そこで、ミネラルウォーターや天然水なら8%、水道水なら10%となる訳です。
もともと軽減税率というのは、生活必需品に対する税率を軽くし、国民の家計を助けるのが目的です。
それを考えると、水道水はまさに生活必需品であって、電気やガスの光熱費も、必要不可欠な出費でしょう。
そこで欧米諸国の多くは、こうした燃料代や水道代には、全て軽減税率が適用されています。
他に、医薬品や医療品、日用雑貨なども対象品目であるところが圧倒的に多いのです。
さらに、国内移動での交通費や家賃、書籍等も含まれるところが少なくありません。
なので、欧米では国民にとってのメリットは間違いなくあるのです。
その代わりに、対象外品目の税率は極めて高く、国にしても、取れるところからはしっかり取るということになり、それなりのデメリットは兼ね備えています。
日本でメリットと感じられるのか?
先述の例で見ると、とある国では、100円のドーナツ1個に対し、店内で食べれば19円の消費税が掛かります。
ところが、それを店の前で食べれば、7円で済むのです。
方や119円のドーナツ!
方や107円のドーナツ!
この差は結構大きいですね。
けれど、それが日本になると、
店内で食べれば10%の110円!
店外で食べれば8%の108円!
ということで、実際には、わずか2円しか変わりません。
このくらいなら、夏場の暑い日や冬場の寒い日は、冷暖房の効いた店内で食べてもいいかなぁというレベルでしょう。
それでももちろん、徹底的に節約しようと思えばできる訳で、損か得かと言われれば、お得にはなるでしょう。
とは言え、今もすでに8%の税金を払っていることを考えると、実感としてはいかがなものでしょうか?
恐らく、対象品目について、現状より税率が下がるとか、0%になる!
あるいは、対象外品目について、もっと極端に税率が上がる!
こうした状況であれば、このシステムのメリット・デメリットを痛感させられるのではないでしょうか。
しかし現時点では、対象品目が「食品と定期購読の新聞だけ」ということで、大半の生活必需品は事実上、増税による値上げが免れません。
しかも、食料品は据え置きの8%!
ということで、かつて何でもかんでも3%の増税となった時のことを思えば、デメリットは小さいと言えるでしょう。
その代わりに、飲食物以外は、ほぼ増税ですから、メリットも大きいとは言い難いでしょう。