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最近よく耳にするようになったリノベーションですが、その本当の意味は、まだまだ知られていないところではないでしょうか?
一見、古くなった住居の改修工事で、リフォームと称する人も少なくありません。
しかし、実際には、この2つは大きく異なります。

リフォームとの違いは?

リフォームはそもそも、新築当初の状態に極力近い見た目に戻すのが目的です。
そのため、外壁の塗装を塗り替えたり、壁紙を貼り替えたり、畳や床を張り替えたりと言った作業が主流で、典型的賃貸物件の前の住民が出た後に行われる修繕工事ですね。
ですから、浴槽が余りにも古めかしくなっていれば、新しい物と交換するという程度の事はやりますが、それほど大がかりなことはしません。

それに対し、リノベーションは、外観はもとより、内部の設備や機能までもを大きく変更する所謂大規模改修というものです。
例えば、ユニットバスを壊してセパレートタイプの浴室と洗面所にしたり、土間を壊して吹き抜けの洋風の玄関にしたりと、配管の位置まで動かし、水回り設備をより良好にする事を考えたりもします。

そこで、その範囲と規模は実に幅広く、床暖房や太陽光発電などを導入したエコハウスにするとか、平屋を二階建てにするなど、これまでリフォームと言われて来たようなものでも、実はリノベーションであった事は大いに考えられるでしょう。

1980年代のマンションを現代人が好む部屋に作り替える

今、リノベーションマンションが人気を集めています。
その理由としては、ちょうど1980年代、バブルの頃に建てられたマンションの多くが築20年を迎え、老朽化して来た上、機能的にもデザイン的にも古めかしく、買い手や借り手が付かなくなった事が上げられるでしょう。

しかし、立地条件が抜群である以上、それなりの資産価値は保っています。
そこで、思い切って全体的に現代人が好む部屋にすれば、借りる人や買う人が増えるのではないかという訳ですね。

このリノベーションマンションとは、その名の通り、それまでとは全く違う部屋に見えるほど綺麗に生まれ変わらせた中古物件で、中には新築と勘違いしそうなものも多数存在します。
さらに近頃は、おしゃれな北欧のインテリアを予め揃えた家具付き物件もあって、女性向け賃貸としての人気を集めています。

また、自分自身で自由自在に改装出来る物件も注目を集めていますが、これは厳密に言えば、賃貸の場合はリノベーション可能住宅であって、リノベーション住宅ではありません。
ましてや、分譲となると、購入後に勝手に改造したり回収したりするだけの話で、これまでの中古マンションの買い方と大差のない事になります。

しかも、これにはそれなりの費用と時間が掛かりますから、借りている人様の家を自分のお金で綺麗にするなんて馬鹿らしい事はないでしょう。
という事で、本当のリノベーションマンションだからこそ、借りる価値や買う意味がある訳です。

現代のライフスタイルにマッチした快適生活

リノベーションマンションの最大のメリットは、紛れもなく中古物件でありながらも、現代のライフスタイルにフィットした快適な生活が約束されている事に他ならないでしょう。
もちろん見た目もとても美しく、ついつい友達を呼んで自慢したくなるほどです。

そのため、手間とお金を掛けた分だけ、家賃や販売価格は高くなります。
それでも、後から自分で回収するよりは、業者がまとめて工事するので、コストが安く抑えられ、それが値段にも反映されているのだと思えば、少し見方は変わって来そうです。

つまり、何も手を施していない中古物件よりは高価だが、新築よりは遙かに安価で且つ、修理費用などがほとんど掛からないうちにすぐに住めるという事で、特に購入時の利点は大きいものと見られますね。

しかも、新築の分譲マンションの場合、建物が出来上がる前に分譲が開始され、契約が成立してしまっていますから、実際に完成した部屋を確認出来ないまま、そこの主になる事が確定してしまう事が珍しくありません。

これはよくよく考えてみると、一世一代の大きな買い物をするのにも関わらず、非常に危険な行為であると言えるでしょう。
けれど、こちらは内装工事が完了してからの販売となりますから、自分の目で事細かにチェックして決める事が出来ます。

さらに、個人間取引の売買では、例え不動産屋が仲介に入ったとしても、瑕疵担保期間はたったの3ヶ月ですが、一旦業者が買い取った部屋を改装し、自社で売り出しているこの手の物件においては、瑕疵担保期間は2年と、大幅に延長されるのです。

特に古さプラス修繕工事による不具合が生じる可能性の低くないリノベーションマンションにおいて、これは実に安心出来る部分でしょう。

選び方のポイントは業者にあり

一見、メリットばかりに見えるリノベーションマンションですが、逆にデメリットも多数あります。
何しろ、見た目は新築同様であっても、緒戦は骨董品です。
それに優るリスクはないでしょう。
つまり、耐震性や耐久年数などなど、問題点は多々あるという事です。

特に集合住宅の場合は、我が家だけが立派でも、建物全体が古めかしく、購入後程なく、そうした外壁やエントランスなどの大規模修繕工事が実施される可能性は低くありません。
何せ、先ほども書いた通り、ちょうど若返りが余儀なくされる頃の物を選んだのですから、これは致し方のないところです。
そしてその際、修繕積み立てなどがきちんと継続で利用出来る状態になっていないと、丸ごと自己負担を要求されますから、この部分の確認と対策は必須でしょう。

また、マンションそのものの選び方というよりは、販売業者の選択も非常に大きなポイントで、大手だからと言って、必ずしも信用できるとは限っていません。
近頃は、誰もが知っているような有名な不動産会社が取り扱った商品の中からも手抜き工事が発生している事例は多数あります。

そこで、水回りや壁面、天井、床、窓の周辺辺りは特に念入りにチェックし、煩いほど質問して、徹底的に突き詰め、できることなら、その会話を録音しておくくらいの方が確実です。
そこまでしないといけないのかと思われるかも知れませんが、今はそういう時代なのです。

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