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割引率はどうなる!?自動車保険の見積もりと長期契約のメリットとデメリット
長期契約が有利だった理由とは
自動車保険は、それまでは1年掛け捨ての保険契約として、多くの損害保険会社はそれを採用してきました。
これは、交通事故の確率を1年単位として、翌年の契約終了まで無事故ならば、再契約となったとして、保険料を割り引くといった制度が取られていたからです。
それを理由に同じ契約で「再契約」なしなら、2年以上の契約があれば、仮に事故を起こして保険金を使っても、その契約期間中は同じ保険料の適用を受けることができるため、ダイレクト型自動車保険、つまりはネット契約の保険会社で、非常に人気を博したものでした。
継続して最大3年まで契約できるメリット
1年契約の保険よりも、継続して最大3年までは契約できるメリットから、多くの損害保険会社では、長期契約のほうが保険料が安いといった特徴があったわけです。
例えば、4等級である場合には、ほぼ割引率がゼロであるのに対し、新規契約6等級なら、3年後は8等級になってるわけで、この場合は3割引程度に保険料が安くなっています。
つまり、無事故を前提に、長期契約で常に見積もりを出していけば、1年契約よりも安い保険料を更に安くできるメリットがあったんですね。
ダイレクト保険の人気の秘密はノンフリート等級だった
ノンフリート等級制度割引とは、通常なら無事故で9等級から10等級へ引き上がった場合、当然割引率はあがりますが、13等級の人が保険を使う事故を起こして、10等級になった時は、13等級よりも割引率は低いものの、同じ10等級として、同様の割引率を適用してたのです。
インターネットから契約可能な、ダイレクト型損害保険会社の自動車保険が人気だった理由は、ある意味このノンフリート等級制度割引きが、かなり影響していたようです。
通常の保険契約である1年契約の自動車保険では、更新時に価格改定のタイミングと重なるため、長期契約であり、ダイレクト保険なら、クーリングオフも可能なので、途中から契約を変更する際にも、有利に働くのがこの制度でした。
事故歴がなければ有利だけど保険金使用の事故があった場合は割引率が下がる
これまでは、こうしたノンフリート等級制度は、長期契約では非常に有利に働きましたが、この度、ほとんどの損害保険会社で、大改定が行われ、仮に同じ等級であったとしても、前年度に保険金を使用した事故歴があれば、等級だけではなく、割引率も下がるようになりました。
ダイレクト型保険も同様です。
これは相互扶助である保険料が、保険金を使う人と、そうでない人と比較し、不足分が生じてきてしまっているためです。
例えば8等級であるなら、前年無事故では共に2.8割の割引きだったのが、無事故では4割、保険金使用の事故歴ありは、せいぜい2割引き程度に抑えられています。
大幅な改定で以前よりはメリットが少なくなった
それに加え、今までは等級据え置き処置だった、車両保険に関する一部には、1等級ダウンで対応するといった感じに、かなりの大改定が行われています。
つまり、自賠責保険部分以外に任意保険を使った場合には、いずれにせよ等級がダウンするということです。
この他にも、事故有係数適用期間の導入などにより、長期契約は、計算方法が今までは異なってきているんですね。
計算方法は、更新前の契約年数から、等級ダウン件数を差し引き、これを更新前等級に足します。
3等級ダウンの事故件数を3倍し、そこから1等級ダウンの事故件数に1をかけてたものを差し引き、得られた数字を前述の数字から引くことで、契約時の等級が出てきます。
具体的には、20等級で、3等級ダウンの保険金使用事故1回ででもあれば、3年契約であれば、19等級としての契約になり、更に事故履歴も2年間有効という、事故有係数が適用されたということですね。
見積もりを出すとよくわかりますが、長期契約のメリットは、この改定で非常に低くなったといえるでしょう。