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示談とは、極めて乱暴な言い方をすれば、お金による解決で妥協点を見つけることです。
多くの人は、交通事故を起こした時、事後現場には後日損保会社担当が直接足を運んで調査すると、考えているかもしれません。
しかし、余程の重大事故がない限りは、ほとんどが警察の事故調査を基に、「事故証明書」をほとんど参考にしています。

事故証明書は警察署の様々な情報を統括する、自動車安全運転センターにて、誰でも申請すれば有料で入手することができます。
損保会社は、契約者の個人情報を既に持っていますから、代理申請して入手し、過失相殺を行って賠償責任の比率を計算しているのです。
この基準は、大きく分けると2つあり、ひとつは自賠責における賠償責任の金額です。

自賠責には過失割合が考慮されない

自賠責には、過失割合は考慮されませんから、まずは治療費などは、ここから実費をもとに計算され、契約者の自動車に付与された自賠責保険に請求を行います。
これは、あくまでも実際にかかった費用を基にしていますし、被害者、加害者の区別なく怪我の治療の費用に応じて必ず支払われることになります。

もちろん、過失が多い契約者には、車両保険を使うか、治療費を保険金で負担するかは、自由裁量となるわけです。
これは、自分で交通事故の示談交渉をするとよくわかります。

交通事故における警察の立場

まず交通事故における警察の立場は、あくまで道交法に照らしあわせた司法における懲罰があります。

被害者、加害者の区別は、損害では人身に関わるものと、一方的な故意によるものだけです。自動車同士の交通事故は、片方が道交法違反であっても、その現場に警察が直接事故を目撃する以外は、全て事故後の対応であり、「相手が信号無視をした」とか、「急に右折した」といういのは、当事者の主張でしかありません。
これを処罰する権限は警察にはないのです。
問題は、事故証明を作成するにあたって、主張する内容を当事者同士が納得するかどうかです。

これが正確には示談交渉です。

損保会社の役割

そこで、この事故証明を証拠として、過失割合を点数に置き換え、妥当な保険金を計算するのが損保会社の仕事です。

この事故証明は絶対ではありませんが、かなり有力な証拠ですから、後から事故の要因を追加したり、急に思い出したからといって主張を変えても通用しません。
つまり、損保会社にとってはいかなる事故も、警察における司法的手続きが確固たる根拠となっているのです。

一方的に被害者や加害者となるケースは稀

あくまでも、損害に対する責務は負うことは絶対ですが、その金額や賠償責任の具体的な金額は警察が決めるものではありません。

これは自動車と歩行者でも同様なものです。
どちらかが交通ルールをキチンと守り、どちらかが交通法規違反しない限り、完全な被害者は交通事故ではあり得ないことなのです。
その上で、示談交渉は権利の行使ではありません。

ネットでは「自動車側が常に、自転車、歩行者に対して事故があるとお金を払う立場になる」と不満を漏らす人がいます。

しかし、現実にはこれら交通弱者が交通違反をしていると判断できれば、損保会社は必ず歩行者にも過失割合を定めます。
つまりは、自動車は他人を傷つけることができる、エンジン付き乗り物ですから、相手の怪我も大きくなる可能性が高く、支払いが多く感じられるのです。

相手が証拠に不満を持っているケースにだけ、時間がそれだけかかっている事になります。
損保会社には、示談交渉に強弱はほとんど無関係と言って良いかもしれません。

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