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勘違いされるような宣伝やPRが多いおかげで、忘れられがちなのですが、危険運転致死となるような運転者に、損保会社はその契約者には保険金を支払ったりはしないということです。
するのは、自賠責の範囲内での賠償金請求だけです。

自動車保険とは偶発的な交通事故に遭遇した時に、必要な補償をするところに意味があります。
自動車保険加入が交通安全を保障するということは、天地がひっくり返ってもあり得ないことです。

当事者同士では解決が難しい事故に対応

しかし任意保険未加入の場合、例えば玉突き事故など、自分では防ぎようのない交通事故に遭遇したとか、横断歩道のない場所での無理な横断をした歩行者に対する、「自分の防御策」としては、大変意義深いものがあります。
車と歩行者の場合、過失割合を計算すると、歩行者にも過失がありますし、他人が引き起こした追突による他車への損害は、どうしても自分が悪くなくても賠償の責任がかかります。

こうした複雑な事情は、事故当事者ではかなり解決が難しいです。
急に車道に飛び出した歩行者は、まず自分の危険行為を棚に上げて、自動車の過失を責めるでしょうし、玉突き事故では、直ぐ後ろの車も被害者であった場合、賠償額が大きくなり、過失割合が高く、自分が受け取る補償額では、修理や怪我の治療にも補償が充分でない場合があります。

これらは、自分が交通安全を心がけていても、誰もが経験する可能性が高いものです。
しかも、納得いかない賠償請求も多いです。

賠償責任で保険を選ぶのは危険

交通安全とは、歩行者と自動車、その他の車両が交通ルールをそれぞれ厳守して、それを履行した時に初めて達成できます。
自分は交通弱者だから、ちょっとくらい飛び出しても自動車が悪いというのは、いわば保険の不当請求をする”当たり屋”と同じです。

自動車保険契約は、自分が不可抗力の上で加害者になった時に、本当の力を発揮します。
それにはあくまでも、交通ルールを厳守していることが大前提なのです。

そういった意味で「賠償額が大きいのだから、安心」と考えるのは危険です。

損保会社が自分の味方になってくれて、本当に安心できるのは、こうした交通ルールを無視する悪質な人々から、自分の財産や大切なお金を守ることにあります。

加入前に覚えておきたいこと

これから自動車保険に加入しようとする人がいるなら、是非とも覚えていただきたいのは、多くの人は「自動車は、避けてくれる」と勝手に解釈している事です。
だから少々交通ルールを守らなくても、自分は大丈夫だといった意識が、多くの人の心の中にあります。
そもそも交通ルールを守らないのが間違っているのですが。

そしてそのカバーをするための自動車保険は、けが人が保険金を直接受け取れると誤解している事も覚えておくべきです。
そのために、自動車保険に契約し、敢えて少々高い保険料を納めているなら、それは自分や自分の家族や友人を大切にしているのと同じことになります。

自動車保険の役割は、弱者救済ではありません。
それは自賠責の役割です。
あくまでも交通ルールを守る自分自身を、そうでない人から守るための保険だと言えるのです。

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