マイナス金利 メリット

マイナス金利になると、お金を「借りれば得」「預ければ損」と、単純に考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
大切なお金の問題、本当にそんなに簡単にに考えてもいいのでしょうか？

経済への影響

残念ながら日銀がマイナス金利を導入しても、一般の銀行や信用金庫が、利用者のメリットの大きい借入に反映することはありません。その代わりに、利用者のデメリットの大きい預貯金に反映されることもありません。単にプラス金利での低金利化が、より一層進行するだけです。

銀行は、お金を貸した人からの利息で、お金を預けている人の利息を支払っているようなところがあります。
ところが、もし、マイナス金利が導入されると、お金を預けた人の元金から、お金を借りた人の利息を支払ってもらうような図式になってしまいます。当然、そんな銀行に貯金するくらいなら、タンス預金の方が得はしなくても、損もしないだけマシということで、お金を預ける人がいなくなってしまいますね。

その一方で、返済総額が元金よりも少なくて済む借入の方は人気を集めます。これでは、たちまち銀行は潰れてしまうでしょう。
ですので、マイナス金利の導入は、銀行にとって、デメリットはあってもメリットはないことになります。

マイナス金利が適用されない限り、預貯金の元金が減るというデメリットはなく、わずかでも利息が付くというメリットはあります。
タンス預金よりお得であることは間違いないのです。やはり貯金は、出来る限り続けるべきですね。

一方、借入について言えば、同じくマイナス金利による返済額の元本割れというメリットもありませんから、借りたお金には利息が付くというデメリットは残ります。いくら利子が安いとは言え、借りたお金以上のものを返さなければならないのが現実ですよね。

夢のマイホーム購入

今回のマイナス金利騒動は、銀行がお金を預けている銀行である日銀こと日本銀行のみが導入したというものです。
取引先の金融機関でも今すぐに導入されることはまずないでしょう。もちろん、日本人として危機感を持たなければならないことは確かですが、現時点で私たちが派手に騒ぎ立てたところでどうしようもありません。

ここは一つ、メリットを上手に生かし、身近なところの景気だけでも良くすることや、豊かな気持ちになれることを考えた方が賢明ではないでしょうか。例えば、毎月5万円ずつ積み立てして、わずかな利息を手にするのではなく、毎月5万円ずつローン返済し、夢のマイホームを持つのも悪くはないでしょう。

住宅ローンの考え方

預け入れの金利が下がるのは困りますが、借入れの金利が下がるのは喜ばしいことですよね。ただし、絶対に欲を出し過ぎないことです。

これまでにも何度となく、住宅ローンの金利は、今が底値だと言われて来ました。にも関わらず、その後も下がり続け、数年前と今を比較すると、0.1％もの差が見られます。そのため、今回もまた、今後さらに引き下げされるのではないかという事で、変動金利型を検討される方もいらっしゃるかとは思います。もちろん、その可能性はないとは言えないでしょう。

しかし、今以上に下がったとしても、それほど大きな差は出ないと考えられます。なぜかというと、先述の通りマイナス金利目前まで利息を引き下げると、多くの銀行は経営難に陥るからです。それを考えると、やはり「フラット35」のような長期固定金利型の住宅ローンを選ぶのが賢明という考え方もありますね。

中には、とりあえず様子を見て、借り換えをすればいいとおっしゃる方もいらっしゃいますが、借り換えには大きなリスクが伴います。今から5年後、今と同じくらい元気に仕事できて、最低限今と同じくらいの所得があると100％断言できる方はいらっしゃらないでしょう。もし、今後金利上昇が危惧された際、改めて現状維持できる固定金利型に切り替えようとしても、転職などで収入が減っていたり、健康上の理由で団信への加入が難しいとなれば、たちまち却下されてしまいます。

そうなった時は、その後、上がり続ける金利を渋々支払いながら、今の住宅ローンを継続して返済して行くしかないのです。このデメリットは大き過ぎます。

それに、もし将来、大きな金利引き下げがあった時、審査さえ通れば、現時点で組んだ長期固定金利型から、新たな金利で組む長期固定金利型に借換えることもできます。その場合は、審査に通らなかったとしても、今の低金利だけは継続できるので安心です。となると、今回のマイナス金利騒動のメリットをそれなりに生かせることになりますね。